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● 「再生可能エネルギー」より
http://www.cesarebasile.com/
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ロイター 2011年 05月 10日 13:50 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-21005020110510
再生可能エネルギー、40年後に総電力の最大77%に=国連
[アブダビ 9日 ロイター]
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日、太陽光や風・水力などを使った再生可能エネルギー発電は、各国で正しい政策が取られれば、2050年までに世界のエネルギー需要の約8割をまかなうことが可能だとする報告書を発表した。
全26ページからなる同報告書は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されたIPCC会合で、各国代表が合意。
世界のエネルギー需要に占める再生可能エネルギーの比率は現在12.9%だが、最も普及が進むシナリオでは、2050年までに77%まで引き上げることが可能だとしている。
また、その場合は向こう40年で最大5600億トンの二酸化炭素排出量削減が見込めると試算している。
報告書では、再生可能エネルギーは過去数年で急速に普及が進み、コストも低下していると指摘。
パチャウリIPCC議長は記者会見で、
「風力発電や太陽光発電は特に急増している」
と述べた。
』
原発を止めれば、とりあえずは停止中の火力発電や新規のガスタービン発電で乗り切ることになる。
そして徐々に節電意識が浸透し、少電力化スタイルが定着するにしたがって、再生可能エネルギーが原発にとって変わるものとして、取り入れられてくることはまず間違いない。
上の国連発表によれば、40年後は最大77%が再生エネルギーに置き換わるとという。
ちょっと本当かしら、と頭をかしげてしまうが、まあ
話半分としても「1/3」ぐらいは置き換わる
と見ていい。
ということは、日本でいうなら、原発分は確保できるということになる。
つまり、これから原発が設計寿命でとまっていく分、再生エネルギーがその役割を負担していくことは充分考えられるということになる。
その考えに立つと「脱原発」というのは決して夢物語ではなく、
非常に大きな可能性のあるものだということになる。
もちろん、今日明日ということではないが、やってみる価値がすこぶる大きなものであるということは確かだ。
『
Net Resarch News 2011年04月27日
http://www.netresearchnews.com/archives/3117826.html#more
原子力に代わるエネルギー=温暖化を気にしなければ火力でいいという見方も
国際的な基準に基づく原発事故の評価でスリーマイル島の原発事故を上回り、チェルノブイリ原発事故と同じ、レベル7に並んだ福島第一原発事故。
国内総電力の約3割を賄ってきた原子力発電ですが、事故を機に、
原子力に代わる発電方法があるのか、
議論が高まっている。
livedoorネットリサーチでは
「原子力に代わるエネルギーはあると思う?」
と題したアンケートを行い、2,283人から回答が寄せられました。
結果は、62.1%の人が「原子力に代わるエネルギーはあると思う」
と回答しました。
では、なぜ避けられると思わないのか、コメントを見てみると、
◆温暖化を問題にしないのなら、別に火力でいい。
原子力は今も新型が色々発表されており、30年ぐらいたてば、かなり安全で扱いやすいものができてるだろう。
それからでも遅くはない。
◆全家庭にソーラー設置した上で、火力・水力・原子力などの大型発電を考えましょう。
そうしたら原子力は必要なくなってしまうような気がするのですが。
◆電力が足りないから30%を原発に頼ってる訳ではないからなぁ。
電力が足りてるのに無理やり原発を造り130%にしてるのはなぜでしょうか?
というように、
電気が足りないから原発に頼っているわけではない
ので、当座は火力発電に置き換えればよい。
各家庭にソーラーを設置した上で大型発電を考えるべきというコメントが見受けられました。
一方、「原子力に代わるエネルギーはあると思わない」と回答した37.9%の人のコメントを見てみると、
◆太陽電池をご家庭に設置すると10年以上使わないと採算がとれないくらいバカ高い。
いくら無機物で造られてる太陽電池でも10年も使えば老朽化してくるしな。
採算とれた頃、ご交換ということになるな。全然お得じゃない。
◆一般家庭で使う程度なら、いくらでも小規模なモノはある。
しかし、企業が経済活動に使う分は現実としてまかなえない。
冷静に考える必要がある。
◆どう考えたって今のエネルギー問題で日本の電気需要をまかなうには原子力発電が不可欠。
全て火力でとか自然エネルギーとか無知もはなはだしい。
というように、
●.太陽電池では採算がとれないのではないか、
●.小規模発電は一般家庭用には良いが企業活動用としては賄えない、
●.全て火力や他の自然エネルギーに置き換えられるかは疑問で原発は不可欠
というコメントが見受けられました。
原子力発電にとって替わる発電方法というのは簡単には見つからないという意見がある一方で、地震後東北地方の
各原発が運転を停止しているにもかかわらず、休止していた火力発電所の復旧や、節電意識の高まりなどもあり現在のところ生活への影響は軽微に留まっています。
原子力発電を直ちに止めることはできない以上、原子力発電の安全性を高めることも求められるし、それにとって替わる安全な発電方法の開発と実用化も同時進行しなければなりません。
水力、火力、原子力をバランスよく組み合わた発電というのが、長年のコンセンサスになってきましたが、今回、福島で起こった原発事故は、それを覆すきっかけになるのでしょうか。
』
『
BLOGOSチャンネル 2011年04月25日17時23分
http://news.livedoor.com/article/detail/5515495/
木走正水(きばしりまさみず)
東京都在住のブロガー。政治経済、社会問題について分析。
原発の代わりになる再生可能エネルギーはこの国の地下に眠っている
この度の大地震はあらためて説明するまでもなく日本が活発な火山活動及び地震活動の集中する環太平洋火山帯に属しておりプレート型連動地震であったことは、同じく環太平洋火山帯に属しているインドネシアで発生した大地震とメカニズムは同じであります。
● 図1:環太平洋火山帯(ウィキペディアより)
図に赤く示されたこの太平洋を囲む環状の火山帯では世界の過半数の活火山が集中しております。
日本中いたるところに温泉がわき出ています。
環太平洋火山帯に属する地域ではマグマ溜まり由来の膨大な地熱が発生しており、その地熱埋蔵量を資源と見なせれば、日本はなんと世界屈指(3位)の資源大国となるのです。
■表1:世界の地熱資源量
国 名 活火山数 地熱資源量(万kW)
----------------------------------------------
アメリカ合衆国 160 3000
インドネシア 146 2779
日本 119 2347
フィリピン 47 600
メキシコ 39 600
アイスランド 33 580
ニュージーランド 20 365
イタリア 13 327
● 図2:世界の地熱資源量(グラフ)
f:id:kibashiri:20110425155642p:image
※データ出自 (独)産業技術総合研究所資料より
http://staff.aist.go.jp/toshi-tosha/geothermal/gate_day/presentation/AIST3-Muraoka.pdf
ご覧いただければ一目瞭然ですが、アメリカ、インドネシア、日本、フィリピン、メキシコと、地下資源量上位5国がすべて環太平洋火山帯に属しており、表にも示しましたが当然ながら地熱資源量と活火山数には強い相関が見られるわけです。
地熱発電はいろいろな方式がありますが、例えば現在は夢の技術である
「マグマ発電」
が実用化すれば、日本の場合、年間消費電力量の2.5倍~3倍の発電能力を有するという試算もあります。
環太平洋火山帯の上にあることから火山噴火や大地震・津波という災害に見舞われてきた私たちでありますが、この地球活動のエネルギーを電力として利用できたならば、世界有数の資源大国に日本は生まれ変われます。
今、ソフトバンクの孫正義社長の脱原発を目指して発足させる「自然エネルギー財団」の話題もあって、原子力に替わる新たな太陽光発電などの
再生可能エネルギーについてその可能性についての議論
が盛んです。
<略>
しかしここで再生可能エネルギーとして地熱発電を考えたならば、天候や風力などの影響がありませんから24時間電力供給が可能であるという点では、完全に原子力の代役が務まります。
実は豊富な熱源を有する日本ですが、ここ10年世界の地熱発電所が次々に稼働し始めている中で、この国ではわずか18カ所の地熱発電所が稼働しているだけです。
その総発電量は全発電量の0.2%しかなくこれは原発一機の発電量の半分にも満たないのです。
なぜ日本で地熱発電が注目されないのか、日本にその技術力がないわけではありません。
七日付け読売新聞記事から。
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東芝、ニュージーランド地熱発電所から発電設備受注
東芝は2011年4月5日、ニュージーランドの Contact Energy から、同社が建設を予定している Te Mihi 地熱発電所のタービン、発電機、復水器を受注した、と発表した。
2基の8.3万キロワット級地熱タービン、発電電動機、復水器を2012年に納入する。
契約は、豪州現地法人の東芝インターナショナルオーストラリア(TIC 豪)が、McConnell Dowell、SNC-Lavalin、Parsons Brinkerhoff とのジョイントベンチャーで行った。
Te Mihi 発電所はニュージーランドの北島、タウポ火山帯に位置する。
東芝がニュージーランドから地熱発電所向け設備を受注するのは、今回が初めて。
納入製品の設計・製造は京浜事業所で行う。
地熱発電は、再生可能エネルギーである地下のマグマだまりで熱せられた熱水と水蒸気を利用する発電方式。
CO2 の排出量が非常に少なく、また、天候や気象条件に左右されないことから、最近では世界的に地熱発電の開発が進んでいるという。
現在の世界の地熱発電設備容量は約1,000万キロワットに達しているそうだ。
東芝は、1966年に岩手県松川地熱発電所に設備を納入以来、北米、東南アジア、アイスランドなど、世界各国で52台の設備を納入している。
(2011年4月7日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/internetcom/20110406-OYT8T00718.htm
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東芝だけではないですが、日本企業は世界トップレベルの地熱発電に関連する技術を有しています。
ですが、記事の通りもっぱら熱源を有する国に輸出してばかりで、その技術力が国内で生かされてはいません。
ではなぜ世界第3位の豊富な熱源を地下に埋蔵している日本で、
地熱発電所の建設が進まないのか。
私はこれは東京電力をはじめとする電気事業者達が、これ以上の電力自由化を進めぬために、
地熱発電の普及を、政治家・官僚を巻き込んで阻止してきたと疑っています。
現在地熱発電のコストは高いのですがそれを含めて
(独)産業技術総合研究所・地圏資源環境研究部門・地質資源研究グループ長の村岡洋文研究員は、
地熱発電が普及しないのは政府のやる気がなぜかないからだとしています。
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世界ではクリーンエネルギーである地熱発電が急ピッチで開発されています。
たとえば,火山国のアメリカでは地熱発電が250万kWにも達しており,フィリピンでは電力の19%が地熱発電で賄われています。
火山のないドイツでも, UnterhachingとLandauで,深度3000m以上の掘削が行われ,この11月からそれぞれの地域で小さな地熱発電所が運転開始します。
世界有数の火山国であり,地熱資源大国であるわが国で, 何故,地熱開発が進まないのでしょうか?
その理由は次の5つにまとめられます。
(1).地熱有望地域の大半が国立公園内の,環境省が開発に縛りを掛けている地域内にあります。
このため,わが国の地熱開発はそれ以外の2級の地熱有望地域で行われることになり, 坑井掘削の的中率が低くなり,コストも高くなります。
(2).わが国だけの特殊事情として,27,866個もの温泉泉源が至るところにあります。
本来は地熱発電の貯留層は温泉よりもはるかに高温であり,また,深いため, うまく共存することができます。
しかし,温泉所有者からみれば,地熱開発が脅威に映り,しばしば反対の憂き目に合うのが実情です。
(3).わが国では,法制度も地熱開発向きにできていません。
たとえば,地熱掘削は温泉法の縛りを受けます。
このほかにも,森林法,電気事業法,環境アセス法,等々, 多くの法に支配されています。
そのため,開発に着手してから,運転開始に至るまでの時間が,わが国ほど長く掛かる国はありません。
(4).これらを総合した結果として,わが国の地熱開発コストは諸外国より非常に大きい傾向があります。
(5).しかし,(1)~(4)は全て,強力な政策的支援があれば,変更でき,軽減できるものばかりです。
たとえば,地熱資源の乏しいドイツで地熱発電が可能な理由は, 政府が小型の地熱発電所に対して,1kWh当たり,15ユーロ・セントで買い取るという強力な政策的支援を行っているからです(大型ではもっと高い)。
つまり,国が本気で再生可能エネルギーを開発する意志があるかどうか
が,実は最も大きなポイントです。
日本の地熱発電はいまや,人口31万人のアイスランドに抜かれそうな状況です。
地熱関係者として,多くの長所をもち,わが国に豊富な地熱資源の開発が,わが国でだけ停滞していることに忸怩たる思いを禁じえません。
(2007.10.31)
>>
実は日本では豊富な熱源が確実視されている一等地域にまったく発電所を建設することができていません。
国立公園内で開発が禁止されていたり、近くの温泉地が無知から来る反対運動を起こしたり、法律も全く整備されておらず、国としての支援もいっさいなく、結果コスト高のまま、普及しないでいるわけです。
日本の地熱発電開発はここ15年ほとんど伸びていません、
そして日本政府は、なぜか1997年に地熱発電を新エネルギーから除外し、さらにそれとともに国の地熱政策予算を激減させ、結果投資家が地熱発電開発への投資を躊躇する状況になっているのです。
実は地熱発電は、規模も方式もいろいろな実現方法があります。
大きな電力会社が管理しなければならない原子力とは違って、電力事業者以外の企業でも開発できます。
しかも原油やウランのような原料輸入も伴わず、地中からエネルギーを取るだけですから、小規模から大規模まで電力自由化ととても親和性のある地球に優しい技術なのであります。
東電など電力事業者が地熱発電に熱心ではないのは、電力自由化を睨んで地域独占のポジションをこれ以上浸食されないために、息の掛かった政治家や官僚と組んで、地熱発電の予算を削ることを後押ししてきたのではないかと、私は疑っています。
しかし日本における地熱発電の潜在的ポテンシャルは、もしかするとこの国のエネルギー事情を一変するほどの可能性を秘めているのです。
法律を変え一等地を開発可能にし、関連技術の研究開発を支援し、コスト競争力がつく軌道に乗るまで政府による電力買い取り補助を行えば、地熱発電は必ずや日本経済を支えうる柱となることでしょう。
政府・官僚・電力事業者は今一度、この国の豊富な地熱資源に注目すべきです。
原発の代わりになる再生可能エネルギーはこの国の地下に眠っているのです。
』
== 東日本大震災 ==
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