2011年5月8日日曜日

ドイツの買電

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● ヨーロッパにおける天然ガスのパイプライン網
http://www.fepc.or.jp/library/publication/teiki/shikihou/shikihou35/images/p05-2.html




毎日.jp 2011年5月8日 20時05分
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110509k0000m030065000c.html

ドイツ:7基停止で電力輸入国に…「脱原発」先行き不透明

 福島第1原発の事故を受けドイツは国内17基の原発のうち7基を暫定的に停止したため、近隣国から電力を輸入する状況になっている。
 メルケル首相は6月に、原発全廃までの期間などを示す改正原子力法を成立させる構えだが、早期の原発撤退には与党内からも疑問の声が上がっており、「脱原発」先進国の電力事情も先行きは不透明だ。

 3月の事故後、ドイツは80年以前から稼働する古い原発7基を暫定的に3カ月停止することを決めた。
 フランクフルター・アルゲマイネ紙によると、3月前半まで、1時間に平均3500メガワットを外国に輸出していたが、3月17日に7基を停止して以降、逆に平均2500メガワットをフランスやチェコから輸入する事態になった。

 連邦ネットワーク庁のクルト長官は、輸入電力が原発で生産されたものかについては
 「電気は見ただけでは、(原発で作られたものかどうか)分からない」
と明言を避けたが、フランスは電力の約8割を原発に依存しているため、
 「原発撤退と言いながら、よりによって原発大国から輸入」
と皮肉る独メディアもある。

 一方で環境省の担当者は
 「まだ十分に自力で供給できる量はある。
 現段階ではフランスの電力が安いから輸入しているだけ。
 欧州の自由な電力市場ではよくあること」
と述べ、
 「輸入国転落」
を否定する。

 こうした状況もあり、ドイツでは連日、生活に直結する電気料金の値上げが議論の的だ。
 南ドイツ新聞は
 「(太陽光発電など)原発に代わるエネルギー確保のため、今後10年間で計2000億ユーロ(約24兆円)が必要」
と報じた。
 具体的に、今後は国民1人当たり毎月18ユーロ(約2200円)の出費増になると伝えたメディアもある。

 メルケル首相は6月の法改正で早期脱原発に道筋をつける方針だ。
 しかし、首相の与党キリスト教民主同盟のブフィエ・ヘッセン州首相は
 「私たちは、原子力に代わる新たな電力源で将来をカバーできるとの印象を簡単に広めるべきでない」
と述べるなど、与党内からも早期の脱原発を不安視する声がある。

 ドイツは02年に当時のシュレーダー政権が「脱原発」を決め、当初は2022年までに全面停止の予定だった。
 しかしメルケル政権は昨年、代替エネルギーの普及が進むまで稼働を最長14年間延長することを決定。
 だが今回の福島の事故を受け、再び早期脱原発にかじを切っていた。




毎日.jp 2011年5月6日 20時55分
http://mainichi.jp/select/world/news/20110507k0000m030101000c.html

浜岡原発:運転停止要請 ドイツでは背景も含め速報

 ドイツのDPA通信は6日、菅直人首相の浜岡原発停止要請を速報。
 「東京から170キロ南西にある同原発に対しては、地震の危険があるとして長年反対運動が続いていた。
 施設では事故も頻発していた」
と背景を伝えた。

 福島第1原発の事故を受け、ドイツでは国内17基の原発のうち1980年以前から稼働する古い7基を暫定的に停止し、「脱原発」政策を進めている。
 日本同様に電力不足を懸念する声も相次いでおり、日本の原発関連ニュースへの関心も高い。
 同通信は大手電力会社EnBWのフィリス最高経営責任者の発言として
 「夏場には、特に南ドイツ地域で停電が起きる恐れがある」
と伝えている。


 ヨーロッパというところは陸続きだから、電力がなくなったら隣の国から買えばいい。
 もちろん、お金を払うことになるのだが。
 つまり、金さえ払えば電力などどうにでもなるということになる。
 イタリアはフランスから電気を買っている。
 逆にいうと「電力とは買うことの出来るモノ」なのである。
 例えば天然ガスのパイプラインはヨーロッパ中には張り巡らされている。
 が、問題がある。
 いったいこの天然ガス、どこから来るのか。
 答え「ロシア」
 以前、ウクライナとロシアで揉め事が起こって、ロシアがパイプラインの根元のバルプを締めてしまったことがある。
 ヨーロッパ中の天然ガスの供給をストップした。
 ヨーロッパのガスストーブが使えなくなった。
 ヨーローッパは真冬を暖房なしで過ごしたのだ。

 フランスは原発を推進し、ロシアは天然ガスと石油を持っている。
 イギリスとノルーウエイは北海油田とそれにからむ天然ガスを持っている。
 あとはせいぜいドイツの石炭くらいなもの。
 残りは中東からの石油の輸入。
 天然ガスと電力はヨロッパにおいては「買えるモノ」なのである
 つまり急場のヤリクリのつくシロモノなのである。

 だが、日本はそうはいかない。
 買うお金があっても周りは海。
 送電線を引くわけにはいかない。
 日本は何でもかんでも自前でやらないといけない環境に置かれているのである。
 天然ガスも同じ。
 パイプラインは引けない。
 しかたがないから、天然ガスを液状化して「天然液化ガス」として船で運んでこないといけない。
 ジャブジャブと湯水のように電力を消費しては絶対にいけない国なのである。
 そのため日本は石油とプロパンガスを備蓄している。
 これどのくらいの量かというと、
 石油は半年分、プロパンガスは3カ月分
である。
 かくも膨大なエネルギーを抱え込んで、非常事態に備えないといけない国が日本なのである。

 日本の歩む道を考えるとき、やはり「適電」というのが必要なのである。




== 東日本大震災 == 



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