2011年5月11日水曜日
東電、骨抜きへ
● 東京電力本社
政権が変わっていたのが東電の不幸だ。
鼻薬をかがせておいた利権議員がどこにもいない。
頼りになるはずの自民党議員は後難を恐れて、表には出ようとしない。
完全に保身に回ってしまっている。
東電は裸身をさらしているのと同じだ。
ということは、ときの政権にいいようにやられるということである。
中部電力もそれを知っていて、アッサリと浜岡原発をオシャカにした。
さて、東電はどうなる。
切り売りされるか。
まあ分かっていることは、いくらあがいてもどうにもならないということ。
「賠償に上限はない」
とまで明言されれば、もはや生きる道はない。
血の一滴まで吸い取られるということである。
言い換えれば、民主党は東電を生贄にする可能性がある。
これから脱原発を実行しようとしていくとき、それを阻害するような行動をとったら、
東電のようになるぞ
という脅しをかましているのである。
『
2011/05/11 02:32 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051001001265.html
東電5千億円超の資産売却へ 政府は新機構設立に大筋合意
政府は10日、東京電力福島第1原発事故の賠償支援をめぐる閣僚協議を開き、東電に公的資金を投入するための新機構設立で大筋合意した。
賠償総額に上限を設けず、リストラ強化などを促す6条件を東電に提示。
東電も5千億円を上回る資産売却の検討に入り、政府側の要求を受け入れる見通し。
賠償支援の枠組みをめぐる交渉は事実上決着し、政府は週内にも発表する。
東電が負担する賠償総額は数兆円に上る見込み。
「聖域なき合理化を進める」(清水正孝社長)としており、原発事故で避難などを強いられている周辺住民や、出荷制限で収入を失った農家、漁業関係者らへの賠償に充てる。
新機構は特別立法で設立する。
将来の原子力事故の発生に備える保険の機能を持たせ、原発を運転する電力9社から資金拠出を受ける。
政府も新機構にいつでも現金化できる交付国債を割り当てる形で公的資金を投入。
東電の賠償負担を支える。
東電は保有しているKDDI株などの株式や債券、不動産などを売却する。
保養所や社宅なども対象にする。
電力事業と関わりが薄い国内外の子会社も売却する方針。
既に一部の事業に関しては、大手商社や投資会社などに引き受けを打診している。
5~10年間は普通株を無配とし、利益流出を抑える方向で検討し、株主にも賠償のための協力を求める。閣僚の間で株主責任の明確化を迫る意見があったことを考慮した。
社員の給与引き下げや、広告宣伝費の縮小などのリストラも急ぐ。
2年間で3500億円以上の経費を削減する考えだ。
政府は東電に資産売却や経費節減の徹底を求めており、東電は一層の上積みを目指す。
政府内には、東電に融資している銀行も支援に協力するべきだとの意見があり、東電に金利減免を銀行団に要請するよう水面下で促した。
しかし金利減免を受けた企業は不良債権に区分されるのが原則であるため、東電は
「今後の資金調達に支障が出る恐れがある」
と、慎重に検討している。
』
『
毎日新聞 2011年5月11日 2時30分(最終更新 5月11日 2時53分)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110511k0000m020137000c.html
福島原発:賠償機構新設で政府合意 東電資産買い取りも
東京電力福島第1原発事故の損害賠償問題で、政府は10日、官民出資の「原発賠償機構(仮称)」の新設を軸とした賠償支援策で大筋合意した。
東電の追加リストラ策などを見極めた上で、週内にも発表する。
東電は損害賠償の財源とするため、機構に5000億~8000億円の資産売却を検討。
一方、政府は官邸に設置する調査委員会で資産調査や経営監視を行い、公的管理下でリストラと賠償を進める方針だ。
賠償策では、東電を含む原子力事業者の負担金で機構を新設。
事業者の負担金と、国が発行する交付国債を裏付けとする資金をもとに、東電に対する融資などの形で賠償の財源を供給する。
東電は毎年の利益から、1000億~2000億円程度を機構に返済する。
一方、巨額の資産を保有する東電は、機構に一括売却することも検討する。
資産売却を急速に進めると、不動産や株式市場に下落圧力が強まり、十分な売却益を得られない可能性もあるためだ。
機構が一時的に引き取れば、市場への影響を考慮しながら時間をかけて処分できる。
東電は、資産売却と合わせて機構に優先株の引き受けを求めて賠償財源を確保する他、資産の証券化なども検討する。
足りない分は、機構から融資などの資金支援を受ける。
政府は、東電の事業計画を認可する形で公的管理下に置き、リストラの進捗(しんちょく)状況などを監督する。
政府はこれらの措置を盛り込んだ法案を今国会中に提出する。
政府の支援を受けるにあたり、東電は国民の理解を得るために10年程度、株式配当を見送る。
政府は、機構を通じて東電の優先株を引き受けるほか、金融機関の東電への融資に政府保証をつけるなどして、東電の資金繰りを全面支援することを検討している。
』
『
YOMIURI ONLINE 2011年4月30日(土)14時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000421-yom-bus_all
群馬、福島など4県にまたがる尾瀬国立公園(総面積約3万7200ヘクタール)の約4割を占める東京電力の所有地の行方が注目されている。
福島第一原子力発電所事故の被害者への補償金を捻出するため、東電は保有資産の売却・整理を進める方針だが、国立公園内の土地の売却は難しいためだ。
原発賠償金へ 東電は尾瀬国立公園に約1万6000ヘクタールの土地を所有している。
前身の電力会社が1900年代前半から持っていた土地で、現在は環境保護などのために毎年約2億円を拠出している。
東電の所有地は、尾瀬ヶ原を含む特別保護地区では全体の約7割に達する。
東電はホームページで
「日本の宝でもあり、世界の宝でもある」
とうたい、湿原の保護や観光客が歩くための木道の整備などを行っている。
尾瀬は無料で開放されており、収入はほとんどない。
』
『
ロイター 2011年 05月 11日 16:35 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21036220110511
東電の発送電分離は将来の課題、可能性奪ってはいけない=海江田経産相
[東京 11日 ロイター]
海江田万里経済産業相は11日、都内で講演し、東京電力の発電事業と送電事業を分離する考えがあるかと問われ
「将来の課題」
との認識を示した。
「将来というのが何年先なのか。
そんなに遠い将来ではない可能性がある」
とも述べた。
政府は原発事故の賠償をめぐって、東電の支援要請に応じるスキーム策定を進めており、東電には経営の合理化を求めている。
海江田経産相は
「損害賠償を担保させるための仕組みが、将来のそうした可能性を奪うことになってはいけない」
と語った。
』
怖いよ、この政権。
巷でいうようなヤワな政権じゃない。
賠償を負担させるために
「生かさず、殺さず」
で、東電をサラシモノにしようという腹である。
もし、政府のいうこと聞かないと東電みたいになるぞ、というわけである。
電力各社を震え上がらせる、というのが東電生殺しのプランのようだ。
『
TBSニュース
』
『
テレビ朝ニュース
』
これまで東電は一地域一電力会社という法律特権によって、民主党政権など歯牙にもかけなかった。
が、この事件で事情がガラリと変わった。
社長自ら、政権に泣きつく有様になってきたのだ。
民主党は日増しにその強さを増している。
民主党が政権を取ったのは「もう自民党に飽きてきた」というムードによってだ。
党自体に際立った政策があるわけではない。
目先を変えてみようという選挙民の心理が票を入れたのだ。
自民党との差を際立たせるために、どうでもいいような児童手当の増額などやってみたりした。
だが、ここにきて様相が激変した。
「脱原発」を党のメインの政策に掲げる
ことができるようになったのだ。
この政策の裾野は広い。
新しいエネルギーの開発、低エネルギー政策と対応する機器類の開発、同じように新素材の開発、などなど。
更には震災時に発生した様々な問題、例えばモービルフォンがまるで使えなくなったとか、バッテリー切れによる通信不能とか、ありとあらゆる生活面の問題も浮き出てきた。
それらを産業的に対応していくだけで、政策の柱は有り余ってくる。
菅さんはこの災害に出会ってしまって、運の悪い星を持っているのかも、と書いてしまったが、これは大きな間違いのようである。
菅さんというのは、強運の持ち主なのかもしれない。
脱原発、災害復興、そこから導きだされる各種の新しい産業と開発。
菅さんの仕事の未来は果てしなく広がっているようである。
それに比べて自民党は、肝心の危機部分に参加できず、責任をとるのが怖く引きこもってしまった。
もはや、自民党は学ぶべき場所と時間を失ってしまった。
死地から蘇った民主党は強くなる。
それに合わせるように自民党はあらゆるものを失い続けていく。
もう自民党は民主党の対立パワーの要件すら備えていなくなってきている。
時代は動いている。
特に今回の震災は、日本の様相を根底から変えるであろと思われる。
それにどう乗れるか、歴史はどういう動きをするか。
冷静に見つめてみたいと思っている。
福田、麻生、鳩山といったええとこの「おぼっちゃま政治」ではこれからはいかなくなる。
菅という、ソフトなコワモテが時代を仕切っていく。
したたかだぞ、この菅というヤツは。
昔、家康は運のいいヤツしか抱えなかったという。
菅という人、とんでもない強運の持ち主かもしれない。
== 東日本大震災 ==
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