_
『
YOMIURI ONLINE 2011年5月9日17時34分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110509-OYT1T00138.htm
原発停止に伴う東電コスト増、16%値上げ相当
東京電力の福島第一、第二原子力発電所の運転停止に伴い、
火力発電所の燃料費の増加分が東電の電気料金16%程度の値上げに相当
すると経済産業省・資源エネルギー庁が試算していることが8日、明らかになった。
海江田経産相は同日の民放番組で、
「おそらく何%か上がる。
原子力が使えなくなり、原油やガス(を使う火力発電)に置き換わる」
と述べ、一定程度の値上げが避けられないとの認識を示した。
東電は燃料コストが低い原発が停止した結果、価格が高止まりしている原油や液化天然ガス(LNG)を燃料とする火力発電の比率を高めており、電気料金の値上げは避けられない状況だ。
経産相は、役員報酬の半減などの東電のリストラ策を上積みさせるなどし、値上げ幅を圧縮する考えを強調した。
』
原発廃止ということは、代替エネルギーの使用ということになり、電力料金の値上げが発生することは止む得ないことだ。
上記の記事によると、変換に対応するための値上げ分は「16%」という。
ただ単に知恵も使わずにやれば、算数的に16%になるということだろう。
それをたたき台にして、いかに料金の値下げを抑えていくかが、手腕のみせどころということになる。
民間からいえば、「10%」だろう。
逆にその程度上がってくれないと困るとも言える。
「電力ガブ飲み生活」を改善するには相当なプレッシャーが必要だ。
安い電力を目の前に置いて、「節電を心がけよう」などといっても始まらない。
それはヨダレの垂れそうな料理を前にして、「ダイエットしよう」というようなもんだ。
「電気が高くなった分、節電しよう」
という外部プレッシャーがないといけない。
アピールできるコピーライトが必要である。
それがあればスンナリと節電ムードに入っていかれる。
「節電、適電、みんなでやれば怖くない」
である。
が、その上限は1割である。
それ以上になると、気力が失せる。
やる気を無くして、不要に電力を使わなくなると、今度は逆に体力消耗を招く。
食べるのを意志力で極力抑えたが、逆に体に合わず、栄養失調におちいるようなものだ。
「適電」ということを考えたら、今は「10%目標」である。
まずは、10%の目標にして節電していく。
それによって値上げ分をチャラにする。
まず、ここから明日への日本を作っていくことだ。
それが国民の第一歩の歩みだ。
それには、その意識を高めるためにも、警鐘を鳴らす上でも10%の値上げは是非とも必要だと思う。
人間というものは、モチベーションで動く。
それに刺激をあたえるのに分り易いのは、値上げである。
まあ、簡単にいうなら給料が上がるという見込みがあるから人は働く、といった心理学である。
もちろん、豊かな社会ではそれは一様にはいかないが。
が、まずは旧来体制、旧来生活からの脱出には、刺激が必要である。
「これまでと同じ」ではシステムは変わらない。
変える力が働かない。
変えようという気力が湧いてこない。
刺激は眼に見える形での、身に染みる形でのものがいい。
[◆ その後]
『
TBSニュース 2011年5月10日03:50
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4721160.html
福島第一原発事故の損害賠償問題で、政府は東京電力が賠償金を確保するため打ち出しているリストラ策が不十分だとして、政府自ら東電の経営内容の調査に乗り出す方向で検討していることが明らかになりました。
この問題で政府は9日、関係閣僚会議を開き、公的資金を活用した東電の賠償支払いの支援策を議論しました。
支援策は東電が徹底したリストラを行うことが前提となっていますが、会議では東電が先月発表した役員報酬の半減などでは不十分だという不満が噴出しました。
このため、東電に追加のリストラを行う余力がないのか確認するため、政府自ら東電の経営内容の調査に乗り出す方向で検討を始めたことが分かりました。
東電の清水社長は10日、枝野官房長官らを訪ね、政府に対して正式に支援を要請する予定ですが、政府内では資産の売却などリストラの大幅な上積みがない限り、支援に応じるべきでないという意見も出ています。
政府が自ら民間企業の経営内容のチェックに乗り出すとすれば、極めて異例の事態です。
』
これ不気味。
つまり、東電を政府の支配下におこうとする意思がミエミエになっている。
ということは、電力システムの根本的見直し、再編に繋がる可能性が大きいということになる。
東電は政府のおひざもと。
東電は電力自由化の先兵になる可能性もあり、或いは新関東電力として解体再建というプロセスをとるかもしれない。
自民党政府ならどこかで手を打つということもありうるが、
民主党だと利権議員がいない。
いいようにやられる可能性が高い。
いずれにせよ、
政府が東電に踏み込んでいくという事実は、何かが起こる
ということでもある。
浜岡原発を停止に追い込んだ政府だ。
なんとなくソフトムードを装っているが、
やることは結構ハードだ。
口先はやわらかいが、強面だ。
菅さんの「気弱ムード」にだまされると、とんでもないことになる。
この人、弱そうに見せながら粘り腰はしたたか。
アホな連中は、菅さんのいまにも倒れそうなポーズにころりと騙されている。
昔の菅さんはガツンとやったものだ。
強気一辺倒であった。
それがために私などは、菅さんが大嫌いであった。
いまでも嫌いだが。
が、勉強したのだろうが、昨今はしたたかさのスタイルに変えている。
もうちょっと昔のように強くでたら、
と思えるほどに弱々しさを前面に出している。
若き日の菅さんはどこへいった、そんな疑問を持ってしまう。
このポーズ、やはり不気味だ。
意識的にやっているのだとすると、一筋縄どころか二筋縄になっているのかもしれない。
やはり、菅とはクセモノか。
どうも弱くなったのではなく、剛構造から柔構造へとスタンスを変えたようである。
== 東日本大震災 ==
_