2011年5月14日土曜日

補:この夏、原発の40基がとまる

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NHKニュース 2011年5月11日 6時41分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110511/k10015809151000.html

全国の原発 6割近くが停止に

 日本には、商業用の原発が54基あります。
 このうち、14基が地震や津波の影響によって運転できない状態になっているほか、11日現在で、定期検査などのために運転を止めている原発は18基あり、合わせると全体の6割近くに当たる32基が止まっているという異例の事態になっています。

 このうち、鹿児島県にある九州電力の川内原子力発電所1号機は、10日、定期検査に入りました。
 九州電力は、6基の原発を持っていますが、川内原発1号機のほかにも、佐賀県の玄海原発の2号機と3号機が、福島第一原発の事故のあと運転再開を延期しています。
 このため、九州電力の原発の半分は運転が止まっていて、九州電力では、夏場の安定的な電力の供給に影響が出る可能性もあるとして、対応を検討しています。

 また、これとは別に、政府が運転停止を要請した静岡県にある中部電力の浜岡原発の4号機と5号機の2基は、今週中にも止まる見通しとなっています。

 さらに、これから夏にかけてもともと定期検査に入ることが計画されている原子炉が、
 ▽新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原発の1号機と7号機、
 ▽福井県にある関西電力の美浜原発の3号機、
 ▽同じく福井県の大飯原発の4号機、
 ▽同じく福井県の高浜原発の4号機、
 ▽佐賀県にある九州電力の玄海原発1号機
の、合わせて6基あります。

 このため、現在、停止している原子炉の運転の再開をどうするのか、電力会社や地元の自治体の判断がこの夏の電力需給に大きく影響することになります。


 現在とまっていりのが、32基。
 浜岡原発が今日停止したので、34基。
 つまり今、「34基」がとまっている。
 54基中の34基とは「63%」がとまっていることになる。
 それだけではない。
 夏にかけて定期検査に入るものが、6基あるという。
 都合、40基がとまる。
 これ、原発総数の「74%」に当たる。
 原発の3/4が止まった状態で真夏に突入する。
 もし、これをそこそこしのげたら、いったいリスクの高い原発とはなんだったのか、ということになる。
 



== 東日本大震災 == 



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補:メルトダウンがおきていた

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● NHKニュース より




TBSニュース








テレ朝ニュース 2011/05/13 11:49
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210513020.html

【原発】工程表に遅れも“メルトダウン”影響深刻

 福島第一原発1号機で燃料の「メルトダウン」が起きたことを受け、東京電力は事故の収束へ向けた工程表の見直しに着手します。
 1号機は、溶け落ちた燃料の熱で圧力容器の底が損傷し、外側の格納容器に高い濃度の汚染水が漏れています。
 さらに、この格納容器を満たすのに必要な水は7000トンですが、これまでにそれを上回る1万トン以上を注水していることから、ここからも汚染水が大量に漏れているとみられ、対策が急がれます。
 
 東京電力は、燃料のメルトダウンで損傷した1号機の圧力容器の底の部分を特殊なセメントで塞いだり、漏れた汚染水を浄化して再利用する案などを検討しています。
 一方、溶けた燃料を冷却するため、循環型の冷却システムの設置作業は続けるとしています。
 17日の工程表の見直しで、どこまで具体的な対策が示せるかが焦点ですが、これまで1号機は2号機や3号機と比べ、冷却に向けた準備が進んでいるとされていただけに工程表全体への影響が懸念されます。






TBSニュース






朝鮮日報  : 2011/05/13 08:58:10
http://www.chosunonline.com/news/20110513000020

福島原発:1号機で燃料棒が完全露出

燃料棒が溶け落ち、圧力容器に複数の小さな穴
冷却水と共に流出した可能性

 東京電力は12日、福島第1原子力発電所1号機の圧力容器の水位が当初の予想以上に低く、そのため長さ4メートルの燃料棒が完全に露出して溶け落ち、圧力容器下部で再び固まっているとの見方を示した。
 ただし、どの程度まで溶け落ちたかについては分からないという。
 これは共同通信が同日付で報じた。

 東京電力によると、溶け落ちた燃料棒によって圧力容器下部には複数の穴が開いており、、この穴を通じて冷却水と溶け落ちた燃料棒が圧力容器の外に漏れ出した可能性があるという。
 これまで予想されていた圧力容器内の冷却水の水位は、燃料棒から1.5‐1.7メートル下とみられていたが、水位計を調整して測定したところ、実際は燃料棒の上部から5メートルほどにまで下がっていることが分かった。
 しかし圧力容器の表面温度は100‐120度と比較的低く安定しているため、東京電力は
 「溶け落ちた燃料棒は水に漬かって冷却されている」
と説明している。

 これまで東京電力は、1号機の燃料棒が溶け落ちた割合を55%ほどと説明してきたが、今回明らかになった水位から、実際は全て溶け落ちた可能性もあるという。
 原子力安全保安院の西山英彦審議官は
 「圧力容器内部の水位計はまだ正常な状態ではない可能性があるため、検証には慎重を期さなければならない」
と語った。

 東京電力は1号機の燃料棒を冷却するため、11日までに1万トン以上の水を投入した。しかし、この水は圧力容器下部に生じた穴を通じて、ほとんどが外部に漏れ出したものとみられる。

 ソウル大学原子核工学科の黄一淳(ファン・イルスン)教授は
 「燃料棒が溶け落ちたのなら、溶岩と同じように底で固まり、この状態で蒸気が発生し続けているのだろう。
 蒸気が外部に排出されない限り、今よりも大きな問題にはならないはずだ」
と語った。







【◆ その後】


ANNニュース









== 東日本大震災 == 



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2011年5月11日水曜日

「失われた20年」とは

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● 「世界経済のネタ帳」から



 考え方の基礎になっているのが3月10日付のサイト記事。
 この記事を書いた翌日に東日本大地震が起きている。


 「失われた20年」といわれている。
 1991年の名目GDPは「467兆円」、そして2010年のそれはほとんど変わらず「477兆円」。
 つまり「成長率:ゼロ」である。
 がである。
 つい最近、中国に抜かされるまで日本のGDPはアメリカに続く「世界2位」であった。
 それも四十数年間も。
 もちろん、失われた20年の間も。
 これちょっとオカシイと思いません。

 アメリカという超大国を除けば、40年以上にわたって、東方の小国がGDPのトップに君臨していたのである。
 ヨーロッパの先進国は今なを日本を抜いていない。
 人口10倍を超える中国がとてつもない急成長をとげ、やっと日本を抜いたという。
 なぜ、失われた20年の間にヨーロッパ先進国が日本を抜けなかったのか。
 「失われた20年」と標語するなら、その間に日本は惨めにもヨーロッパ先進国の後塵を拝してしまった、となるべきではないのか。
 それがない。
 これからもない。
 どうして?

 日本はこれから増えすぎた人口を減らしていく
 「生態的個体調整」期間
に入っていく。
 経済発展を目標とする社会的人為的人口膨張は、生物の生存論理に道を譲っていく。
 日本の適正人口(あるいは静止人口)は
 「8千万人---9千万人
だという。
 2045年ころには1億人を切るという。
 現在の人口は1憶2,700万人。
 つまり、あと30年少々で、5人のうち1人がいなくなる勘定になる。
 1/3世紀で「2,700万人」の人が消えるということになる。
 
 ところで、この失われた20年で生産環境はがらりと変わった。
 以前は4人かかるところが3人で造れるようになった。
 ということは、その分、人が余ってくる、ということになる。
 これからはもっと生産効率はあがるだろう。
 つまり生産を上げるということは、人手がいらなくなるということである。
 なら生産の総量をあげればいいということになる。
 日本はそのシステムをとっていない。
 生産環境は成熟している。
 日本は腹一杯詰め込んでいるのである。
 これ以上は入らないのである。
 日本の原油輸入量はオイルショック以降ほとんど変わっていない
 つまり、もうメシはいらない、ということである。
 
 日本の経済は成長の頂点まで登りつめているのである。
 「モノあまり」なのである。
 人が余っているし、モノも余っているのである。
 だからデフレなのである。
 日本の経済は、
 「成長から成熟へ
 「発展から安定へ
 「加速から走行へ
 「イニシャル型からランニング型へ
 「建設型から運用型へ
 「青年期から壮年期へ」
へと変貌している。
 これ以上のエネルギーの注ぎこみは不要なのである。
 不要というより「やってはいけないのである」
 これ以上やると、オーバーヒートを起こしてしまうことになる。

 停止している車を時速120kmまで上げるにはアクセルを踏み込んで、ガソリンをエンジンに送り込みエネルギーを消費させねばならない。
 が、120kmに達したらもうアクセルを踏み込んではならない。
 ペダルに足をそっとのせておくだけでいい。
 わずかなエネルギーで120kmは維持されるのだ。
 もしここで、アクセルを踏み込んだらどうなる。
 暴走してしまう。
 日本はその時点にある。
 日本は車でいうなら120km/hで走行中なのである。
 ときどき、アクセルを押すだけで、安定した走りがなされる状態にあるのである。
 
 これからは、人を減らし、エネルギー消費を抑え、
 経済成長などという亡国論理
は控えめにして、
 適正人口時のモデル社会
を俯瞰して、それに見合う社会環境を創造していくことが、求められているのである。
 と言っても過去の近代経済学のベースになっている唯物的経済学しか習っていない連中にはムリだろうが。
 経済成長こそ、善であり、美であるとしか教えられていない
のだから。
 そういう連中が世の中を動かしているのである。
 でも
 「日本人という生物個体
は生態アンテナに反応するものを「善」として我が行く道を進んでいるのではないだろうか。
 それが、
 経済成長不要論
であり、少子化肯定論
のベースになっているのではないだろうか。

 分かっていることはタダ一つ。
 2050年には日本の人口は1憶人を切り「9千万人台」になっているということ。
 なぜそうなるのか。
 それを考えてみれば、おのずと分かってくることである。
 とすれば、これから考えるべきことも分かってくるはずである。


 世界が必要としている経済学は「成長するための経済学」。
 日本で必要なのは「成長した後の経済学」。
 この経済学はまだ、出てきていない。
 日本の経済社会情勢の方が先行している。
 日本とは「世界ではじめて成長したあとの経済状態に達した国」なのである。
 ところがこれを見る視点はすべて「成長するための経済学」のもの。
 よって、言っていることがすべてトンチンカン。
 経済学者のいうことは、
 ほとんど全く当たらない
というとんでもない状態。
 これからの日本、どうなっていくのだろうか。
 経済学者のいうことがデタラメということは、先の見通しが立たないということでもある。

 ろくすっぽ将来のことが見通せない経済学者などいらないが。
 



== 東日本大震災 == 



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雑誌から



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【AERA 緊急増刊 2011.4.10号】



● 表紙


● 目次


● 女川町


● 原子炉構造


● 全国の原発 現状と計画


● 東京湾北部地震(M7.3)がおきたら


● その被害予想


● 全国の主要活断層と東日本大震災後の主な地震


● 太平洋沿岸5県の被害状況と主な堤防、津波の高さ


● 同時地震が起こったときの津波の高さと到達時間







【FRIDAY 緊急増刊 5/6増刊号】


● 表紙


● 目次


● 東日本各地の被害状況












● 各地の被害写真


● 今後予想される巨大地震


● 予想震度分布


● 太平洋側で起こった過去の大地震


● 日本列島全原発「危険度&主要活断層マップ」


● 地震による原発・核施設の施設の損傷・トラブルなど


● 東日本各地の汚染状況






== 東日本大震災 == 



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確率87%とは、その日は近いかもしれない

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● 3地震同時発生 Wikipediaより



『』
毎日.jp 2011年5月9日 東京夕刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110509dde012040021000c.html

特集ワイド:頻発する大地震 
 「東海・東南海・南海」3連動 足音高まる「首都直下」

◇「地球全体が警戒期」

 マグニチュード(M)9.0と世界観測史上4番目の超巨大地震となった東日本大震災。
 だが、ひとたび起きればこの国を根本から揺さぶる大地震は、まだある。
 「東海」「東南海」「南海」3大地震や首都直下地震などだ。
 その危険度はどこまで高まっているのか。

 <生徒が集合し、急いで学校前にある山へかけのぼりました。
 山から町を見ておりますと、どろ波がおしよせて町へ舟が流れてくるやら家がなんげんともなくたおされました>

 東日本大震災を思わせる描写だが、実は1944(昭和19)年12月7日にあった「東南海地震」の光景を、三重県吉津村(現南伊勢町)のある国民学校児童が書いた作文の一節だ(00年刊「忘れない!あの日の大津波」より)。
 紀伊半島東部沖から遠州灘にかけてを震源域とするM7・9のこの地震では高さ6~9メートルの津波が起き、死者・行方不明1223人、全壊家屋数は1万7000を超えた。

 地球の表面を覆う岩石の層(プレート)の境界線が集中するこの国では、その一つの南海トラフを震源域として、東海、東南海、南海の3巨大地震が同時に、あるいは数時間から数年のずれで発生し続けてきた。
 古村孝志・東京大学地震研究所教授(地震学)は
 「古文書さえ存在しない時代の地層からも、津波に運ばれた堆積(たいせき)物が見つかっている。
 この三つの地震については一定の間隔で起きているのは確かで、将来、また起こらないとは誰も考えないでしょう」。
 その周期は約90~150年とされる。

 国の地震調査委員会によると、それぞれ30年以内に発生する確率は
 ▽ 東海87%、
 ▽ 東南海70%、
 ▽ 南海60%
という。
 改めてその「逼迫(ひっぱく)度」に驚かされるが、特に懸念されるのが3地震の「同時発生」だ。 1707(宝永4)年10月28日の宝永地震では、津波が伊豆半島から大阪湾、九州沿岸を襲い、49日後には富士山が噴火。
 死者2万人以上にのぼった。
 地震の規模はM8・6と推定されている。

 同じく東大地震研所属の都司嘉宣(つじよしのぶ)准教授(津波・古地震学)は
 「古文書を調べると、宝永以前で同時発生と推定される巨大地震は、887年、1361年の2回。
 およそ400年間隔で起きていることが分かる。
 最後の宝永から既に300年を過ぎていることからも、『次』が同時でもおかしくない」
と危ぶむ。

 1854(安政元)年12月には東海・東南海地震と南海地震が32時間の間隔で起きている。
 しかし、1944年に東南海地震、46年に南海と続いた際には、東海地震だけが起きなかった。
 このため、東海地震については
 「いつ起きてもおかしくない」
として日本の地震で唯一、予知を目指す態勢が敷かれている。

 この「3連動」が恐ろしいのは、地震の規模について1足す1が2ではなく、それ以上に巨大化するからだ。
 「長大な震源域にわたってプレート境界が滑り続けるために、断層のずれはより大きくなる。
 その結果、震動もより強く、津波も高くなるのです」
と古村教授。
 別々の地震がわずかな時間差で起きた場合、津波に津波が重なって波高が上がる現象も起きる。
 15~20分差が最も顕著になるという。

 河田恵昭・関西大学教授(巨大災害)は防災の立場から「東日本大震災の大きさを直視すべきだ」と言う。
 「過去のデータを解析する従来の方法論では、それ以上の地震が起きたときに通用しない。
 物理的にどこまで大きな地震が起こりうるか。
 そこから考えるべきではないでしょうか」

 例えば、地震の規模はM9・0を目安に検討する。
 「想定が8・4だった場合、9・0にすると、津波の高さは2・2倍になります」。
 現状、10メートルの津波が想定されている地域があるなら、20メートル以上の津波への対応が求められるということだ。
 伊豆半島や高知県沿岸部では、第1波が東日本大震災よりも短い10分以内で到達する恐れもあるという。

 もし今、3地震が個別に、あるいは同時に襲来したら何が起こるのか。

 「南海地震がM9・0規模だと、大阪湾を5・5メートルの津波が襲い、ほぼ大阪府全域が水没します。
 大阪城がある上町台地の一部だけが、岬のように水面上に残る」
と河田教授。
 東南海地震では
 「三重県から愛知県にかけて多数ある中部電力の火力発電所が、打撃を受けそうです」。
 そして、言うまでもなく東海地震の震源域の真上には、菅直人首相が全面停止を求めた浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)が建つ。
 原発前の海岸には高さ10~15メートルの砂丘があるが
 「前進を阻まれた津波は、後ろから来る波に押され高さが1・5倍にもなる。
 とても安全な状況とは言えません」。

 国は03年、宝永地震をモデルに、3地震が同時発生したときの被害を想定。
 静岡以西10県で「震度6強以上」となり、建物の下敷きや津波で最大2万5000人の命が失われるとしている。

 古村教授は
 「宝永地震の震源域の西端は高知県の足摺岬沖と考えられてきたが、より西の日向灘だった可能性がある」
 と話す。
 政府は被害想定の見直しをする予定だ。



 一方、首都直下地震の足音も高まっている。
 地震調査委員会の推計では、1923年の関東大震災と同タイプの地震(M7・9程度)は、30年以内の発生確率は0~2%だが、南関東で起こるM7程度の直下型地震となると70%にはね上がる。
 河田教授は
 「関東大震災級の地震は約200年周期だが、その前には直下型地震が発生している。
 70%は無視できない数字だが、意識していない住民が多い」
と嘆く。
 国の被害想定では、このタイプの一つ「東京湾北部地震」で最大1万1000人が死亡し、建物や生産額低下などの経済被害は112兆円にも及ぶという。

          ■

 思えばこの国は、95年の阪神大震災以降、04年の新潟県中越地震など大地震が頻発していた。
 河田教授は
 「阪神大震災から、日本列島は地震の活動期に入った」
と指摘する。
 「この状態は半世紀ほど続くでしょう。
 首都直下だけでなく、近畿圏直下地震を起こす大阪の上町断層帯など多くの活断層に注意する必要があります」。
 東日本大震災のようなM9クラスの超巨大地震ともなると、遠く離れた岩盤にもひずみが生じ、それを解消するために地震を招きやすくなるとも言う。

 このことは、地球全体の状況とも一致するようだ。都司准教授が言う。
 「20世紀にM9・0以上の地震は史上最大のチリ地震(M9・5)など4回あったが、いずれも52~64年の13年間に集中している。
 その後、40年間はなかったのに、今世紀に入って04年にインド洋大津波を起こしたスマトラ沖大地震があり、今回の東日本大震災。
 これは偶然とは思えない。地球全体で警戒すべき時期に入ったと言えるのではないでしょうか」

 「その日」は近いかもしれない。
 対策は待ったなしだ。

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t.yukan@mainichi.co.jp

ファクス03・3212・0279

毎日新聞 2011年5月9日 東京夕刊
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関連語:頻発 大地震 東海 
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 Wikipediaより。


 東海・東南海・南海連動型地震(とうかい・とうなんかい・なんかいれんどうがたじしん)は、東海地震、東南海地震、南海地震の3つの地震が同時発生した場合を想定した巨大地震のこと。
 本項では、単一の震源で同時刻に発生するものだけではなく、3つの地震が起こった時間が非常に近い(同日中 - 数年以内)場合についても記述する。

 地質調査や文献資料から、東海地震、東南海地震、南海地震はそれぞれは約90 - 150年(中世以前の発生記録では200年以上)の間隔で発生していることが分かっており、今後も同じような発生パターンをとると推測されている。
 いずれも「マグニチュード8」に達するような巨大地震で、揺れや津波により甚大な被害を出してきた地震である。

 これら3つの地震は、フィリピン海プレートがユーラシアプレートに衝突してその下に沈み込んでいる南海トラフで発生する海溝型地震ということで共通するが、プレート境界域で地下のプレート構造が原因となってそれぞれ独立した震源域を持っており、別々に発生する場合や数時間 - 数年の間隔で近接して発生する場合、あるいは同時に発生する場合がある。

 過去、江戸時代以前まで歴史を遡ると東海地震、東南海地震、南海地震は同時に発生したことが確認されており、揺れと巨大津波により甚大な被害を受けている。
 文献によれば1707年の宝永地震(マグニチュード8.6)や1854年の安政東海地震、安政南海地震(ともにマグニチュード8.4)が確認されている。
 これ以前については、1498年以前の東海地震の発生記録が無いなど地震の記録が乏しいことや、信憑性や確実性に疑問が残る文献もあることなどから詳しく分かっていないが、連動型が発生していた可能性もあるとされる。

 東京大学地震研究所地球ダイナミクス部門の瀬野徹三教授は、3地震の現在の固有地震の分類を変える必要を挙げ、
 ▽ 南海トラフの東端の震源域(東南海の一部と東海)と連動する「安政型」と、
 ▽ その震源域と連動しない「宝永型」
に分類することができるという説を唱えている。

 日本で記録に残る地震として最大で、日本観測史上最大のMw9.0を記録した東北地方太平洋沖地震は、三陸沖から茨城県沖までの南北500km、東西200kmの震源域で、最大滑り量約20mの規模で
 3つの断層が極めて短時間に連動して破壊された
ことにより超巨大地震となった。

 また、大阪市立大学大学院理学研究科の原口強准教授によると、869年の貞観地震は、岩手県沖から福島県沖(茨城県沖)の震源域をもつ連動型巨大地震と推定されている。
 これは福島県と宮城県沿岸で従来発見されていた津波堆積物が岩手県沿岸でも発見されたことが根拠となっている。

 東京大学地震研究所地震火山災害部門の都司嘉宣准教授によると、津波の復元から887年の仁和地震(東海・東南海・南海連動型地震)を2004年のスマトラ沖地震と同様のM9クラスの超巨大地震と推定している。

 また、歴史文献などの記録がない琉球海溝のプレート境界で発生する推定M9クラスの超巨大地震が、数千年に一度発生する可能性が、2006年に琉球大学と名古屋大学の研究者から示唆されている。
 2007年から2009年にかけて琉球大学、名古屋大学、台湾中央研究院らの合同による海底地殻変動観測が行われ、その成果によれば、測定用の海底局が沖縄本島から北西方向へ年間7cm移動していることから、推測される固着域(アスペリティ)は幅約30 - 50kmでプレート間カップリング領域が形成されていることが判明した。

 名古屋大学大学院環境学研究科の古本宗充教授の論文によると、東海・東南海・南海の南海トラフから奄美群島沖の南西諸島海溝までの全長約1000kmの断層が連動して破壊されることで、2004年のスマトラ島沖地震に匹敵するM9クラスの超巨大地震が発生する可能性がある。
 これは、御前崎(静岡県)、室戸岬(高知県)、喜界島(鹿児島県)の3つの海岸にある南海地震のものと推定されるものより大きな、平均1700年(直近は約1700年前)の4隆起がある隆起地形が根拠になっている。







【◆ その後】


NEWSポストセブン 2011年05月12日16時00分
http://www.news-postseven.com/archives/20110512_20165.html

東南海・南海大地震予測 高知では街が沈下する可能性も

 東海地震とともに、その発生が予測されている東南海・南海大地震。東京大学地震研究所教授・古村孝志さんは、こう説明する。

 「紀伊半島沖を主な震源とする東南海地震、土佐沖を主な震源とする南海地震は過去に東海地震と連動して発生しています。
 東南海地震は67年前から、南海地震は65年前から発生しておらず、相当な歪みが蓄積しているので充分注意すべきです」

 東南海・南海地震が東海地震と連動して起こるとM8.7になると予測されている。
 東海から四国にかけての津波被害が大きく、広域に及ぶため、死者・避難者は東海地震が単独で起こった場合の倍以上とされる。

 東日本大震災では仙台平野が120cm地盤沈下したが、同様のことが高知でも起きるという。

 「1946年の昭和南海地震では70cm、宝永地震では2mもの沈下が確認されました。
 地震により地盤が海面下に沈み、さらに追い打ちをかけるように津波が襲い、川から道路や下水に海水が流れ込みます」(古村さん)

 街の一部が水没してしまう可能性があるとのことだ。

【東南海・南海大地震シミュレーションデータ】
想定発生時刻:午前5時
マグニチュード:最大M8.7
震度:最大7
死者:最大1万7800人
避難者:地震発生1週間後までに約500万人
建物全壊:約35万6100棟
ライフライン:断水人口約1600万人、停電人口約1000万人、ガスの供給停止人口約300万人

※女性セブン2011年5月26日号




NEWSポストセブン 2011.05.12 07:00
http://www.news-postseven.com/archives/20110512_20153.html

東海地震シミュレーション 東京の揺れは3.11の3倍か

 100~150年周期で発生し、現時点で156年もの不気味な沈黙を保っているのが、駿河湾沖を震源とする「東海地震」だ。
 東京大学地震研究所教授・古村孝志さんは、こう分析する。

 「いつ起こってもおかしくありません。
 9年前の中央防災会議では犠牲者9200人、建物全壊26万棟、経済損失37兆円超などの被害想定が発表されましたが(下のデータ)、この数字はあくまでも単独で東海地震が起こった場合。
 東南海・南海地震と連動して起こった場合、さらに被害が拡大する可能性があります」

 震度5強が予想される東京では、耐震性の低い建物は破損したり、傾いたりする恐れがある。

 「東日本大震災でも震度5強を記録しましたが、実はビルを揺さぶる長周期地震動はM9.0という地震の規模から考えて小さく、被害は少なかったんです。
 東海地震で長周期地震動がこの程度という保証はありません。
 過去の東海地震の傾向から推測すると、長周期地震動による揺れは東日本大震災の時の3倍になると覚悟しておいたほうがいいでしょう」(古村さん)

 静岡市内では震度6強以上が予想されている。
 専門家の間で危険といわれているのが静岡市蒲原地区。海と山に挟まれた500mの狭いスペースに、東名高速道路と東海道新幹線が走る。

 「想定を超える高い津波が襲来した際には2本ともさらわれる可能性も」(古村さん)。

 2009年に発生したM6.5の静岡沖地震では、県内各所で高速道路の路肩が崩れ、復旧までに5日を要した。
 さらに激しい揺れと津波に襲われれば、陸路は長期間寸断されるだろう。

【東海地震シミュレーションデータ】
想定発生時刻:午前5時
マグニチュード:最大M8.0
震度:最大7
死者:最大9200人
避難者:地震発生1週間後までに約190万人
建物全壊:約26万棟
ライフライン:断水人口約550万人、停電人口約520万人、ガスの供給停止人口約290万人

※女性セブン2011年5月26日号




== 東日本大震災 == 



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東電、骨抜きへ


● 東京電力本社



 政権が変わっていたのが東電の不幸だ。
 鼻薬をかがせておいた利権議員がどこにもいない。
 頼りになるはずの自民党議員は後難を恐れて、表には出ようとしない。
 完全に保身に回ってしまっている。
 東電は裸身をさらしているのと同じだ。
 ということは、ときの政権にいいようにやられるということである。
 中部電力もそれを知っていて、アッサリと浜岡原発をオシャカにした。

 さて、東電はどうなる。
 切り売りされるか。
 まあ分かっていることは、いくらあがいてもどうにもならないということ。
 「賠償に上限はない
とまで明言されれば、もはや生きる道はない。
 血の一滴まで吸い取られるということである。

 言い換えれば、民主党は東電を生贄にする可能性がある。
 これから脱原発を実行しようとしていくとき、それを阻害するような行動をとったら、
 東電のようになるぞ
という脅しをかましているのである。


2011/05/11 02:32 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051001001265.html

東電5千億円超の資産売却へ 政府は新機構設立に大筋合意

 政府は10日、東京電力福島第1原発事故の賠償支援をめぐる閣僚協議を開き、東電に公的資金を投入するための新機構設立で大筋合意した。
 賠償総額に上限を設けず、リストラ強化などを促す6条件を東電に提示。
 東電も5千億円を上回る資産売却の検討に入り、政府側の要求を受け入れる見通し。
 賠償支援の枠組みをめぐる交渉は事実上決着し、政府は週内にも発表する。

 東電が負担する賠償総額は数兆円に上る見込み。
 「聖域なき合理化を進める」(清水正孝社長)としており、原発事故で避難などを強いられている周辺住民や、出荷制限で収入を失った農家、漁業関係者らへの賠償に充てる。

 新機構は特別立法で設立する。
 将来の原子力事故の発生に備える保険の機能を持たせ、原発を運転する電力9社から資金拠出を受ける。
 政府も新機構にいつでも現金化できる交付国債を割り当てる形で公的資金を投入。
 東電の賠償負担を支える。

 東電は保有しているKDDI株などの株式や債券、不動産などを売却する。
 保養所や社宅なども対象にする。
 電力事業と関わりが薄い国内外の子会社も売却する方針。
 既に一部の事業に関しては、大手商社や投資会社などに引き受けを打診している。

 5~10年間は普通株を無配とし、利益流出を抑える方向で検討し、株主にも賠償のための協力を求める。閣僚の間で株主責任の明確化を迫る意見があったことを考慮した。

 社員の給与引き下げや、広告宣伝費の縮小などのリストラも急ぐ。
 2年間で3500億円以上の経費を削減する考えだ。
 政府は東電に資産売却や経費節減の徹底を求めており、東電は一層の上積みを目指す。

 政府内には、東電に融資している銀行も支援に協力するべきだとの意見があり、東電に金利減免を銀行団に要請するよう水面下で促した。

 しかし金利減免を受けた企業は不良債権に区分されるのが原則であるため、東電は
 「今後の資金調達に支障が出る恐れがある」
と、慎重に検討している。




毎日新聞 2011年5月11日 2時30分(最終更新 5月11日 2時53分)
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110511k0000m020137000c.html

福島原発:賠償機構新設で政府合意 東電資産買い取りも

 東京電力福島第1原発事故の損害賠償問題で、政府は10日、官民出資の「原発賠償機構(仮称)」の新設を軸とした賠償支援策で大筋合意した。
 東電の追加リストラ策などを見極めた上で、週内にも発表する。
 東電は損害賠償の財源とするため、機構に5000億~8000億円の資産売却を検討。
 一方、政府は官邸に設置する調査委員会で資産調査や経営監視を行い、公的管理下でリストラと賠償を進める方針だ。

 賠償策では、東電を含む原子力事業者の負担金で機構を新設。
 事業者の負担金と、国が発行する交付国債を裏付けとする資金をもとに、東電に対する融資などの形で賠償の財源を供給する。
 東電は毎年の利益から、1000億~2000億円程度を機構に返済する。

 一方、巨額の資産を保有する東電は、機構に一括売却することも検討する。
 資産売却を急速に進めると、不動産や株式市場に下落圧力が強まり、十分な売却益を得られない可能性もあるためだ。
 機構が一時的に引き取れば、市場への影響を考慮しながら時間をかけて処分できる。

 東電は、資産売却と合わせて機構に優先株の引き受けを求めて賠償財源を確保する他、資産の証券化なども検討する。
 足りない分は、機構から融資などの資金支援を受ける。
 政府は、東電の事業計画を認可する形で公的管理下に置き、リストラの進捗(しんちょく)状況などを監督する。
 政府はこれらの措置を盛り込んだ法案を今国会中に提出する。

 政府の支援を受けるにあたり、東電は国民の理解を得るために10年程度、株式配当を見送る。
 政府は、機構を通じて東電の優先株を引き受けるほか、金融機関の東電への融資に政府保証をつけるなどして、東電の資金繰りを全面支援することを検討している。




YOMIURI ONLINE 2011年4月30日(土)14時31分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000421-yom-bus_all

 群馬、福島など4県にまたがる尾瀬国立公園(総面積約3万7200ヘクタール)の約4割を占める東京電力の所有地の行方が注目されている。

 福島第一原子力発電所事故の被害者への補償金を捻出するため、東電は保有資産の売却・整理を進める方針だが、国立公園内の土地の売却は難しいためだ。
 原発賠償金へ 東電は尾瀬国立公園に約1万6000ヘクタールの土地を所有している。
 前身の電力会社が1900年代前半から持っていた土地で、現在は環境保護などのために毎年約2億円を拠出している。
 東電の所有地は、尾瀬ヶ原を含む特別保護地区では全体の約7割に達する。

 東電はホームページで
 「日本の宝でもあり、世界の宝でもある」
とうたい、湿原の保護や観光客が歩くための木道の整備などを行っている。
 尾瀬は無料で開放されており、収入はほとんどない。




ロイター 2011年 05月 11日 16:35 JST
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-21036220110511

東電の発送電分離は将来の課題、可能性奪ってはいけない=海江田経産相

[東京 11日 ロイター] 
 海江田万里経済産業相は11日、都内で講演し、東京電力の発電事業と送電事業を分離する考えがあるかと問われ
 「将来の課題」
との認識を示した。
 「将来というのが何年先なのか。
 そんなに遠い将来ではない可能性がある
とも述べた。

 政府は原発事故の賠償をめぐって、東電の支援要請に応じるスキーム策定を進めており、東電には経営の合理化を求めている。
 海江田経産相は
 「損害賠償を担保させるための仕組みが、将来のそうした可能性を奪うことになってはいけない」
と語った。


 怖いよ、この政権。
 巷でいうようなヤワな政権じゃない。
 賠償を負担させるために
 「生かさず、殺さず
で、東電をサラシモノにしようという腹である。
 もし、政府のいうこと聞かないと東電みたいになるぞ、というわけである。
 電力各社を震え上がらせる、というのが東電生殺しのプランのようだ。


TBSニュース





テレビ朝ニュース




 これまで東電は一地域一電力会社という法律特権によって、民主党政権など歯牙にもかけなかった。
 が、この事件で事情がガラリと変わった。
 社長自ら、政権に泣きつく有様になってきたのだ。
 民主党は日増しにその強さを増している
 民主党が政権を取ったのは「もう自民党に飽きてきた」というムードによってだ。
 党自体に際立った政策があるわけではない。
 目先を変えてみようという選挙民の心理が票を入れたのだ。
 自民党との差を際立たせるために、どうでもいいような児童手当の増額などやってみたりした。
 だが、ここにきて様相が激変した。
 
 「脱原発」を党のメインの政策に掲げる
ことができるようになったのだ。
 この政策の裾野は広い。
 新しいエネルギーの開発、低エネルギー政策と対応する機器類の開発、同じように新素材の開発、などなど。
 更には震災時に発生した様々な問題、例えばモービルフォンがまるで使えなくなったとか、バッテリー切れによる通信不能とか、ありとあらゆる生活面の問題も浮き出てきた。
 それらを産業的に対応していくだけで、政策の柱は有り余ってくる。
 菅さんはこの災害に出会ってしまって、運の悪い星を持っているのかも、と書いてしまったが、これは大きな間違いのようである。
 菅さんというのは、強運の持ち主なのかもしれない。
 脱原発、災害復興、そこから導きだされる各種の新しい産業と開発。
 菅さんの仕事の未来は果てしなく広がっているようである。

 それに比べて自民党は、肝心の危機部分に参加できず、責任をとるのが怖く引きこもってしまった。 
 もはや、自民党は学ぶべき場所と時間を失ってしまった。 
 死地から蘇った民主党は強くなる。
 それに合わせるように自民党はあらゆるものを失い続けていく。
 もう自民党は民主党の対立パワーの要件すら備えていなくなってきている。

 時代は動いている。
 特に今回の震災は、日本の様相を根底から変えるであろと思われる。
 それにどう乗れるか、歴史はどういう動きをするか。
 冷静に見つめてみたいと思っている。

 福田、麻生、鳩山といったええとこの「おぼっちゃま政治」ではこれからはいかなくなる。
 菅という、ソフトなコワモテが時代を仕切っていく。
 したたかだぞ、この菅というヤツは。
 昔、家康は運のいいヤツしか抱えなかったという。
 菅という人、とんでもない強運の持ち主かもしれない。
 



== 東日本大震災 == 



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5月11日:東日本大地震からちょうど2カ月

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● 橋下知事:脱原発を表明



 東日本大地震が発生してから今日で丸2カ月がたった。
 徐々にだがいろいろなものが動きはじめている。
 2カ月の最終局面で大きなドラマが生まれた。

①.浜岡原発の全基停止
②.脱原発へ、政府の方針変換

 これはマクロ的なもの。
 ミクロ的には福島第一原発。
 全基廃炉に決まったが、安定化への道のりは遙かに長い。
 日々、日本民族を不安に陥れる局面が続く。
 この状況が続く限り、原発推進の声は消される。

 政治的には自民党は復興会議に出席を要請されても出られない。
 出れば、これまでの責任を問われて非難の嵐に会うのは目に見えている。
 この2カ月間、逃げに逃げまくっている。
 菅タタキは収まる気配がないが、まずは
 今の責任を民主党に丸投げ
して姿をくらますしか手がないのが自民党の状況。
 自民党のツケを、民主党が支払っているようなもの。
 自民党のシリを、民主党が拭いているようなもの。
 責任を請け負った
 民主党はこの危機的状況を乗り切ることで、日増しに自信を深めて
きている。

 もはや、
 自民党などいらないような状態
にまでこの2カ月で進んでしまった。


 原発に固執するのは、ご存じ石原老人。
 この人のやっていること、「パチンコ屋と自動販売機」の攻撃。
 なんともお粗末。
 まるで、「サシミのツマ」を突っついて「通気分」になっているだけ。
 少しはましな、希望ある政策はないのかね。
 もうこの老人、頭で考えるだけの能力を失っている。
 とりあえず、目に見えるものだけを批判対象においている。
 未来の東京をイメージするだけの知能はすでに欠けてしまっている。
 見えるものならわかる。
 考えることはダメ。
 いにしえの既得のイメージにしっかりしがみついている
しか、石原老人の立場はない。
 明日のことならおぼろげにわかる。
 明後日のことは霞の向こう。
 明明後日は、墓場の向こうかも。
 しかたがないさ、78歳だもの。 
 老人を選んだ東京都民とて同じこと。
 しっかり握った既得権益を離すまい、と、ただそれだけ。
 自分の生きているあいだは、東京沈没はないと信じて疑わない。
 疑ったら生きていけない。
 生きているあいだは、握ったものは藁でも離さないと心に決めている。
 「老没都市:東京」、明日の姿。
 


BLOGOS 2011年04月27日00時40分
http://news.livedoor.com/article/detail/5520123/

13名中10名が65才以上だった東京都区長選

逍花:「逍花」は、ぶらぶらと散歩して(=逍)、心を動かしてくれる何か(=花)を探そう! という意味です。
 蕾から開花になり、やがて散っていく花は、変化するものの象徴でもあります。
 はてなダイアリー「月明飛錫」では、日々見つけた花について書いています。

 今日は、先の統一地方選後半戦についての個人的な感想について書きたい。

 世間的に注目されたのは、今回の統一地方選全体を通じて民主党が不振だったことことなのだろうと思うのだが、私が個人的に注目したのは、東京都の13区で行われた区長選の結果。

 まず、今回実施された13区長選に立候補した現職12人全員が再選された。
 そして、選ばれた13名の区長のうち、70才以上が6名、65才以上は10名と、超高齢化が進んでいる(下の表を参照)。

 都知事が78才であることとあわせて考えると、本当に東京は保守化、高齢化が顕著だ。
 さすがに東京は高齢化の進んだ日本の首都だけあって、最先端をいっている。
 年齢がいくつであっても、仕事さえきちんとやってくれればいいし、65才以上の高齢者が身近な区政のトップを務めるほど元気であるのはいいことで、長寿大国日本をアピールする格好の材料にもなるのかもしれない。

 しかし、閉塞感に覆われた日本に変革への動きがおこるとすれば、
 それは東京からではなく、地方からになるのだろう。
 明治維新が薩摩や長州といった当時の辺境から起こり、江戸幕府はそれに抵抗したように、中央は現状維持にしがみつくことになってしまうのではないだろうか。

 ちなみに薩摩や長州は、当時財政難にあえいでいた各藩の中で、いち早く財政再建に取り組み、それを成功させた。
 そして潤沢な資金が、維新に向けての動きをバックアップした。
 現代においても、たとえ辺境でも中央への依存度が高いところでは変革は遅れ、財政問題にメドをつけたところから進むのではないかと思う。

 東京都区長選の結果一覧
----------------------------------------
板橋区  坂本 健   51 現
練馬区  志村豊志郎 78 現
北区   花川与惣太  76 現
文京区  成沢広修   45 現
墨田区  山崎昇     65 現
大田区  松原忠義    68 現
台東区  吉住弘     69 現
世田谷区 保坂展人  55 新
渋谷区  桑原敏武   75 現
豊島区  高野之夫   73 現
中央区  矢田美英   70 現
江東区  山崎孝明   67 現
江戸川区 多田正見   75 現

 

 元気なのは大阪。
 ちなみに大阪は日本第二の都市ではない。
 今、第二は横浜。
 大坂は3位にぎりぎり踏みとどまっている街。
 つまり、日本の第一、第二の都市が東京圏にあるのである。
 なのに元気なのが大阪。
 というより、第3位に落っこちて、こりゃいかんと発奮しているのかもしれない。
 これまでと同じスタイルを継承している限り、もしかしたら千葉、埼玉に抜かれることもありうるかも。
 そう、明日のためにこれまでとは全く違った未来を目指して一歩を踏み出さねば、没落のワナが待っている。
 といった、危機感か。


毎日.jp 2011年5月3日 12時6分
http://mainichi.jp/select/today/news/20110503k0000e010024000c.html

大阪府議会:大阪維新の会、倍増の57議席…新会派構成

 大阪府議会事務局は2日、4月に行われた府議選に伴う新たな会派構成を発表した。
 大阪維新の会は改選前に比べて倍増し、単独過半数を確保した一方、公明、自民、民主、共産の各会派はいずれも改選前より議席を減らしたため、選挙前と比べて府議会の勢力図が一変した。新会派構成は次の通り。

 大阪維新の会57人▽公明21人▽自民13人▽民主・無所属ネット11人▽共産4人▽みんなの党1人▽無所属2


 東京には若き改革の情熱はない。
 パチンコ屋と自動販売機を攻撃するだけ。
 これから大阪はどう動いていくのか。
 この大阪維新のリーダーが橋下さん。
 橋下さんの記事をさらに詳しく検索してみる。


asahi.com 2011年4月28日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201104280006.html

「原発の新設・延長止めたい」橋下知事、代替策検討へ

 大阪府の橋下徹知事は27日の記者会見で、節電や代替エネルギーを導入する政策を進めることで、関西で使う電力を供給する原子力発電所の
 「新規建設や、(老朽化した原発の)延長計画を止めにかかる」
と表明した。
 今秋にも具体的な方策をまとめる。28日に7府県の知事らが出席して開かれる関西広域連合委員会の場で、他の府県にも賛同を呼びかけるという。

 橋下氏は、原発の新規建設・延長の停止を「当面の目標」とする考えを示し、「府民運動を起こしたい。節電や代替エネルギーで、原発1基分はいけるのではないか」と述べた。

 府によると、関西に電力を供給する増設予定の原発は、日本原子力発電の敦賀原発3号機、同4号機(福井県敦賀市)の2基。
 1970年に運転を始めた関西電力の美浜原発1号機(同県美浜町)も後継機の建設が検討されている。

 橋下氏は、不足する電力を節電や太陽光発電など代替エネルギーでまかなうための具体策の検討を、府の各部局に指示した。

 ただ
 「産業の衰退や都市の魅力低下につながることはしない」
とし、節電の対象としてパソコンの消費電力削減や自販機の一時停止、電気料金の設定の変更などを例示。
 電力が不足している東日本での節電策も参考にするとしている。

 橋下氏には他県に立地する原発計画を変える権限はないが、新規建設が不要となるような代替案を示せば
 「関電も原発を新設しなくてもよいと考えるのではないか」
と期待を示した。

 また橋下氏は原発を
 「ある意味で必要悪」
とし、今回表明した考えは原発への依存から抜け出す第一歩、と位置づけた。
 原発依存の脱却と自然エネルギー転換を進める財団の設立を表明したソフトバンクの孫正義社長と26日に東京で会い、賛同を得たという。




テレ朝ニュース (04/28 05:55)
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210428005.html

【原発】橋下知事「原発の新たな建設止めるべき



 福島第一原発の事故を受けて原発の安全性が議論になるなか、大阪府の橋下徹知事は
 「原発の新たな建設を止めるべきだ」
と述べ、「脱・原発」を打ち出しました。

 橋下徹大阪府知事:
 「新規の原発(建設)ないしは、原発の延長の計画を止めにかかる。僕はできると思うんですね」
 原発「悪玉論」ではないと前置きしたうえで、知事は
 「産業の発展を抑制しない範囲で、新たな原発の建設や廃止原発の周辺に後継原発を造る『延長措置』を止めるべきだ」
と表明。
 節電などの負担をする府民・県民に理解を求め、関西電力サイドとも調整に入りたい意向を示しました。
 橋下徹大阪府知事:
 「(府民に)目標をはっきり設定して、そういう目標があるのなら(節電も)『しゃあない』と思ってもらうことが政治の一番の軸であると思っている」
 知事は
 「関西広域連合の目標に掲げたい」
とも述べ、28日の広域連合委員会で提案する方針です。



KTVニュース





産経新聞 2011.4.28 16:57
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110428/lcl11042816580004-n1.htm

原発では橋下知事と合意?奈良知事「再び省エネ国家を

 奈良県の荒井正吾知事は28日の定例会見で、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を踏まえ、
 「原発はむやみに増やしていいものじゃない。
 原発のエネルギー使用比率をできるだけ下げたほうがいい」
と述べ、エネルギー政策を見直す必要があるとの見解を示した。

 荒井知事は
 「エネルギー政策は国の役割」
とし、「第三者的な立場だ」との立場を強調した上で、
 「担当者が言ってきた安全神話がそうじゃなかった。
 増設は考えず、安全かどうかを確かめて再スタートしたほうがいい」
と述べた。

 さらに、今後のエネルギー政策について
 「日本はエネルギーを(できるだけ)消費しないで成長する一番の先進国だった。
 省エネ型成長国家という方向で努力したほうがいい。
 多様なエネルギー源を熱心に研究すべきだ」
と国に対して注文をつけた。




産経新聞  2011年04月28日09時02分
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110428/lcl11042808540001-n1.htm

橋下知事、孫社長に共鳴・面会…原発ストップ発言に政府・電力は困惑

 大阪府の橋下徹知事が27日、東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発事故を踏まえ、関西に電力供給している原発の新規建設や運転延長を止めることを目標とした計画づくりを始める考えを表明。
 28日に大阪市で開かれる関西広域連合の委員会でも提案し、賛同を呼びかける方針を示したことに対し、近隣自治体などからは議論を行うこと自体には賛意が上がる一方、突然の表明に困惑も広がった。

 橋下知事は、今回の提唱について
 「電気料金は上がるかもしれないが、今だったら府県民も多少の負担があっても乗ってくれるんじゃないか。
 供給サイドの方も、今なら考えてくれるのでは」
と説明。
 「自然エネルギー財団」の設立を表明したソフトバンクの孫正義社長の呼びかけに共鳴したといい、26日には孫氏と面会したという。

 ただ
 「単純に自然エネルギーで代替できるわけでない」
とも述べ、
 「自動販売機の稼働を数時間止めるなど、東日本で行われているような節電案を関西でも行えば、原発1基分くらいになるのではないか」
とした。

 滋賀県の嘉田由紀子知事
 「(原発が密集する福井県の)若狭湾周辺で万一のことがあれば、次世代に申し訳が立たない」
と危険性を指摘。
 その上で
 「自治体が地域振興策として政治的に受け入れてきた。
 簡単にかじは切れないが、自然エネルギーへの依存度を高めていくしかない」
と、橋下知事の方針に賛同した。

 関西広域連合長を務める兵庫県の井戸敏三知事
 「十分に広域連合委員会で話をすればいい。
 ただちに決めなければならないものではない」
と議論自体には賛成を表明。
 ただ
 「原発の新規建設は、福島原発の状況を十分点検・検査して評価を加え、安全対策を取り得るかどうかを見なければ、軽々に判断はできない」
とも話した。

 政府が見直しを表明しているエネルギー基本計画では、2030(平成42)年までに原発を現状より14基以上増やすとされていた。
 関西の関連事業としては、既に敷地の埋め立てなどが終わり、来年3月に本体工事を予定していた日本原電敦賀原発3、4号機(福井県敦賀市)などがある。

 一方、政府や電力会社などは戸惑いを見せる。

 経済産業省の幹部は
 「知事の言葉だから重みがある。
 ただ、関西電力の管内は原発への依存度が高く、(新規建設をやめた場合)電力をどう確保するつもりなのか」
 と指摘する。
 政府は、福島第1原発の事故を受けて原発の増設計画を見直す方針だが、事故対策に追われて見直し作業は手付かずだっただけに、地域から新規建設停止の声が上がったことに困惑している。

 関西電力の八木誠社長も、27日に開かれた記者会見の席上、橋下知事の発言について
 「ご趣旨をお伺いした上で対応したい」
とする一方、
 「より一層の信頼性向上に資する対策を実行することにしている」
と述べるにとどめた。

 また、県内に原発14基がある福井県の石塚博英・安全環境部長は
 「詳細が分からないのでコメントのしようがない」
と話した。



KTVニュース







 橋下さんのやろうとしていることは、それをやるよりまえに、
 たった10日で国策となってしまった。

 橋下さんはきっと、毎日ハスを食っているのだろう。
 「既得権益の保持」ということではなく
 「日本の将来未来を考える
という考え方に立てば、出てくる答えは同じ。
 ただ、既得権を壊していくわけだから、波風が立ち、波紋が広がり、批判にさらされるのはしかたない。




== 東日本大震災 == 



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「はまゆり」民宿の屋根から降りる

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● クレーンでつり上げられる観光船「はまゆり」=10日午後2時38分、大槌町。
 asahi.com より




ANNニュース






asahi.com 2011年5月11日5時0分
http://www.asahi.com/national/update/0510/TKY201105100491.html

屋根上に2カ月、観光船「はまゆり」地上に 岩手・大槌

 津波に流され、岩手県大槌町の2階建て民宿の屋根に2カ月間、乗り上げていた同県釜石市の観光船「はまゆり」が10日、クレーンで地上に下ろされた。
 1カ月かけて現地で解体される。モニュメントとして保存しようという声もあったが、二次被害の恐れから撤去された。

 船体の重さは約200トン。
 クレーン車2台で慎重にバランスをとりながらつり上げ、隣接する町営住宅跡地に下ろした。
 燃料を抜いて、船内の機器を取り外した後、トラックに積める大きさに解体する。
 費用は船体保険で賄うという。

 作業を見守った釜石市の金子健一観光交流課長は
 「地元観光の中心的存在だったので非常に残念。これからのことはまだ分からない」
と寂しがった。

 はまゆりは定期検査で大槌町の造船所に入っていた際、津波に襲われ、約400メートル離れた民宿の屋根まで運ばれていた。








== 東日本大震災 == 



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福島第一原発 2011/05/11

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● TBSニュースより


 

NHKニュース 5月11日 6時41分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110511/t10015809131000.html

工程表作業 進捗状況に大きな差

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から11日で2か月になりますが、事故の収束に向けて示された「工程表」の作業は、原子炉建屋内での作業が始まった1号機と、それ以外の号機との間で進捗に大きな差が出始めており、工程表を実行に移していくことの難しさが浮き彫りとなっています。

 東京電力は、先月17日に事故の収束に向けた「工程表」を発表し、7月までの3か月程度の「ステップ1」では、51の対策を示して、原子炉を安定的に冷やすことなどを目標に掲げています。
 事故から2か月、工程表を発表してからおよそ1か月。
 「51」の対策のうち多くは何らかの作業が始まっていますが、最も重要な「原子炉の冷却」で見てみますと、1号機から3号機まで、進捗に大きな差が出始めています。
 具体的には、「原子炉の冷却」については、工程表で、
▽ 原子炉への注水や、
▽ 水素爆発を防ぐための格納容器への窒素の充填、
▽ 格納容器を水で満たす「冠水措置」の実施、
▽ 熱交換器の設置の検討
といった項目が示されています。

 このうち原子炉への注水は1号機から3号機まで継続して行われていますが、そのほかの項目については、1号機以外まったく着手できていません。
 1号機では、格納容器の「冠水措置」に向けて原子炉建屋の中に作業員が入り、10日から水位を把握するのに欠かせない計器の補正が始まったほか、「熱交換器の設置」も具体的な計画が示され、設置に向けた準備が進められています。
 しかし1号機でも、原子炉建屋の内部では高い放射線量が確認され、作業計画の見直しを迫られる可能性もあります。
 細野総理大臣補佐官は、統合本部の2日の記者会見で
 「各号機ごとに状況が違うことがはっきりと分かってきた。
 1か月を区切りに工程表の進み具合を検証し、新たな道筋を示したい」
と述べています。
 事故から2か月、事態の収束が見えないなか、工程表を実行に移していくことの難しさが浮き彫りとなっています。





日経新聞 2011/5/11 10:53
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819595E3E3E2E2E18DE3E3E2E7E0E2E3E39F9FE2E2E2E2;at=ALL

福島1号機、計測器の調整継続 3号機はロボットが作業

 東京電力は11日午前、福島第1原子力発電所1号機の原子炉建屋内に作業員が入り、計測器の調整作業を始めた。
 原子炉を水で満たして炉を安定的に冷やす対策の一環で、水位計が正しく機能するか調べるほか、圧力計も点検する。
 3号機では原子炉建屋近辺で米国製ロボットによるがれきの撤去や放射線量の計測に取り組んでおり、6月中旬までに終えたい考えだ。

 東電は10日、注水を続けている1号機の圧力容器の水位計を点検した。
 11日午前には東電と協力会社の作業員が建屋内に入り、水位計が示すデータの精度確認などに取り組んだ。
 格納容器と圧力抑制室に設置している圧力計も点検する。
 データの精度確認などは12日に実施する予定だ。

 東電は原子炉を水で満たす「水没冷却」を実施して、炉を安定的に冷却しようと計画している。
 水没冷却には炉の中の水位や圧力を正確に把握することが不可欠で、東電は計測器のデータをもとに炉への注水量を調整する考えだ。

 一方、3号機は10日から原子炉建屋近くで米国製ロボットによるがれきの撤去を始めた。
 放射性物質を測る機能を備えた米キネティック社のロボット「タロン」を使い、建屋搬入口付近に線量が50ミリシーベルトに達するがれきがあることを見つけた。
 東電はがれきを回収するためにキネティック社の別のロボット「ボブキャット」も投入している。

 このほか東電は、スウェーデン製のロボット「ブロック90」を使うことも明らかにした。
 特殊なアームを備えたロボットで、ボブキャットなどが集めたがれきを除去する予定だ。




時事.com 2011/05/11-18:56
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&rel=j7&k=2011051100645&j4

3号機で漏水、海へ流出可能性も
 =1.5ミリシーベルト、取水口付近-福島第1原発

 福島第1原発事故で、東京電力は11日、3号機の取水口付近で、コンクリート製立て坑「ピット」に水が流入しているのが見つかったと発表した。
 水の表面の放射線量は毎時1.5ミリシーベルトだった。
 海へ流出した可能性もあるとみて調べる。
 東電によると、同日午前10時半ごろ、周辺の工事に向かった作業員が水の流れる音に気付き、ケーブルの通る管から水が漏れ、ピットに流入しているのが判明した。
 ピットは深さ2.3メートル。水位が上昇しておらず、東電は流入した水がさらに別の場所に流出しているとみている。
 目視では流出先は分からなかったが、取水口側の海面で泡が立っているが見つかった。
 水の流入元は3号機タービン建屋側とみられるが、同建屋地下のたまり水の線量は毎時750ミリシーベルトと差があり、詳しく調べる。
 今回の状況は、2号機のピットから高濃度放射能汚染水が海に流出した時と似ているという。
 東電は各号機で流出の有無を点検していたが、3号機のピットはこれまで、がれきなどが散乱しており、確認できなかったという。







== 東日本大震災 == 



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2011年5月10日火曜日

原子力の国策からの撤退

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● 脱原発政策を表明する菅首相




2011/05/10 20:13 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051001000911.html

首相、原発事故「政府にも責任」 収束まで歳費返上

 記者会見する菅首相=10日午後、首相官邸

 菅直人首相は10日の記者会見で、福島第1原発事故について
 「東京電力とともに原子力政策を国策として進めてきた政府にも、事故を防ぎ得なかった大きな責任がある。
 責任者として国民におわびしたい」
と陳謝し、6月から事故収束まで首相の歳費を返上すると表明した。
 エネルギー政策見直しでは、原発の安全性を高めるとともに太陽光、風力など再生可能エネルギーの開発と、省エネ社会の構築を推進していく考えを強調した。

 発足準備を進めている原発事故調査委員会に関しては
(1):従来の原子力行政からの独立性
(2):公開性
(3):技術分野だけにこだわらない包括性
―を原則にすると説明。
 2030年までに原子力発電の総電力に占める割合50%以上を目指すとした基本計画については、白紙から見直すと明言した。

 東日本大震災の復興基本法案と、閣僚増員のための内閣法改正案については
 「今週中にも方針を決めて国会に提出したい」
と表明。
 11年度第2次補正予算案の編成や国会提出時期をめぐっては
 「復興構想会議などで、必要となる財政規模などをこれから検討する。現在は白紙の状態だ」
と述べるにとどめた。

 約38兆円の赤字国債発行を可能にする公債発行特例法案については
 「できるだけ早い時期に何らかの形で前進できればと思う」
と強調。
 「この国会で前進するよう最大限の努力をする」
とした。


 これ、またすごいことをやろうとしている。
 マスコミの目は「歳費返上」というところに向いているが、内容はドラマチックなのだ。
 「原子力政策を国策として進めてきた政府に---大きな責任がある。」
 明確に、原子力からの撤退を表現しているのだ。
 「原発の安全性を高めるとともに」
という一言が入っていてトーンを弱めるようにしつらえてあるが、
 基底を流れるものは完全に「脱原発」姿勢である
 浜岡原発の2,3年後の再稼働などはまったく見込みがない。
 とはいっても、菅さんはそのとき総理のポストにいないが。
 中部電力社長もそれを分かって意識して、2,3年後を強調するあの会見をしている。
 が、一度でも脱原発の動きで政治が動いていくと、そのはずみで止めようにも止められない形で進んでいってしまう。
 管さんはそれを狙っている。

 つまり、管さんはおのが任期中の仕事を、「脱原発政策の推進」に賭けている
 「脱原発」を決定した首相
という称号を狙っているのである。

 これから、やばそうな原発は何かあるたびに廃炉の方向に足を踏み入れていく。
 そして、設計寿命のきた原発の延長は全く認められなくなる。
 40年もするとすべての商業原発は日本から消えていく。
 その方向に管さんは政策を向けはじめているということだ。

 

ANNニュース







 「脱原発」を掲げているのは大阪の橋下知事。
 

JCAST News 2011/4/28 18:54
http://www.j-cast.com/2011/04/28094577.html

 大阪府の橋下徹知事が、原子力発電所の新規建設や老朽原発の運転延長計画を「止めにかかる」と発言した。

 福島第1原発事故を受けたもので、ほかの知事らにも賛同を呼びかけた。
 一方、統一地方選で原子力産業との共存共栄路線を踏襲して当選した現職知事もいる。
 橋下知事の訴えは、どこまで浸透するのだろうか。

 橋下知事は2011年4月28日、大阪市で開かれた関西広域連合委員会の会合の前、参加知事らに原発の新規建設や運転延長、後継機建設の計画を止めるための方策作りを提案した。

■関西圏の知事たちは「時期尚早」が多い

 4月28日の非公式な会合では、橋下知事の「新規原発認めず」などの提案については、「時期尚早」という意見が多かったという。
 まずはサマータイム導入の是非などエネルギー政策全般の見直しから検証すべきだとの指摘も出て、原発関連提案はこの日の正式な議題にはならなかった。
 橋下知事は当面、大阪府単独で方策を検討するとみられる。

 前日の4月27日、原発について同様の考えを記者団に表明していた。
 「原発悪玉論ではない」
 「単純に自然エネルギーで代替できるわけではない」
とした上で、
 「まずは原発1基を止めるには何をするべきか」
と節電強化の重要性も訴えていた。

 橋下知事の27日の発言については、毎日新聞(ネット版)が、
 「橋下・大阪府知事:『脱原発目指す』」
などの見出しで、
 「事実上の『脱原発』を目指す考えを明らかにした」
と報じた。
 一方、他社の記事では「脱原発」という表現は出てこないものも少なくなかった。
 橋下発言は、稼働中の原発については
 「少なくとも当面は容認」
と読めるからか、受け止め方には温度差があったようだ。

 原発に関する知事らの発言をめぐっては、例えば4月25日、石原慎太郎・東京都知事が、「脱原発」を訴えた保坂展人・元社民党衆院議員が世田谷区長選で初当選したことについて、
 「今の日本経済を支える電力の供給は(原発抜きには)できっこない
と批判、原発を容認する考えを示している。

■奈良県知事「原発むやみに増やしていいものじゃない」

 統一地方選の前半戦、原発をかかえる4道県の知事選ではすべて、原発を容認してきた現職が当選した。
 新顔候補らが脱原発を訴える中、「万全の安全対策」や「見直し」を強調することで乗り切った形だ。
 たとえば、国内最多の14基の原発がある福井県の西川一誠知事は、従来通りの原子力産業との共存共栄路線を掲げ3選を果たした。
 こうした背景には、原発関連の交付金の存在があると指摘する声もある。

 一方、すでに橋下知事と似た考えを示している知事もいる。
 浜岡原発をかかえる静岡県の川勝平太知事は4月22日、静岡新聞の取材に対し、安全対策に懸念があるとして
 「(浜岡原発)6号機の新設は認められない」
と述べた。
 ただ、
 「国民は原発と共存するしかなく、不信の連鎖は避けたい」
とも指摘しており、原発の存在には一定の理解を示している形だ。
 25日にも
 「現状での新設は難しい」
と話している。

また、4月28日の会見で、奈良県の荒井正吾知事は
 「原発はむやみに増やしていいものじゃない」
との考えを示した。
 27日の橋下発言に呼応する発言にも聞こえる。
 奈良県は関西広域連合には入っていない。

関西電力の八木誠社長は4月27日の会見で、橋下発言について、発言の趣旨を確認した上で対応したいとの考えを示した上で、
 「より一層の信頼性向上に資する対策を実行していく」
と理解を求めた。




YOMIURI ONLINE 2011年4月29日 読売新聞:福井版
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20110428-OYT8T01217.htm

「非常に残念な発想」 橋下府知事「脱原発を」 立地市町が反発

 大阪府の橋下徹知事が記者会見で、関西に電力を供給する原発の新設中止などに取り組むとした発言に対し、県内の原発立地市町から28日、反発の声が相次いで上がった。

 敦賀市の河瀬一治市長は
 「福井県内の原発から、関西で使用する電気の6割弱を送っている。
 (県内で発電した)電気を使っていて、そういう発想にしかならないのは非常に残念」
と話した。
 美浜町の山口治太郎町長は「報道で見る限り」としながらも、
 「福島第一原発の事故が起き、一番心配しているのは原発のある自治体。
 (原発から)一番離れた電力消費地の知事が『何を言うとんのや』という思いだ」
と批判した。


 原発から離れられないのは、
①.変わるエネルギー源が見当たらないこと
②.自治体が原発の補助金を捨てがたいこと
による。
 
 


== 東日本大震災 == 



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放射線量とは

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● 毎日.jpより




毎日.jp 2011年5月4日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110504ddm010040168000c.html

東日本大震災:福島第1原発事故 放射線、健康への影響は 正しく知って行動しよう

 東京電力福島第1原発の事故発生以降、周辺地域で高い放射線量が測定されたり、食品や水から放射性物質が検出されている。
 枝野幸男官房長官は
 「直ちに健康に影響はない」
とよく口にしてきたが、一方で野菜の出荷制限などもあり、
 「本当に大丈夫?」
と疑問を持つ人は少なくない。

 放射線や放射性物質とはどんなものか。
 放射線の健康への影響は今、どこまで分かっているのか。
 事態の長期化が不可避となった今、放射線に関する情報を理解するための、科学的知見や専門家の見解を紹介する。

 ●今出ている線量はどの程度か

 東京都の浄水場から0歳児の飲用基準を超える放射性のヨウ素131が検出されたのは3月22日。
 福島第1原発から飛散した放射性物質が原因だ。
 都は、備蓄していたペットボトル入り飲料水を乳児のいる家庭に配るなど、対応に追われた。

 放射性物質を含む水を飲めば体内に取り込まれる。
 これを「内部被ばく」と呼び、食べ物や呼吸でも体内に入る。
 ヨウ素131は甲状腺に集まりやすく、放射性のセシウム137は全身に分布する。
 ヨウ素131は8日で量が半分に、セシウム137は30年で半分になる。
 半分になる時間を「半減期」と呼ぶ。
 ただし、内部被ばくの場合
 「時間とともに体外に排出される」(稲葉次郎・元放射線医学総合研究所研究総務官)
ので、実質的な半減期は異なってくる。
 ヨウ素131は成人で約7日、セシウム137で約90日という。

 福島第1原発から飛散した放射性物質は、大気中や土壌からも見つかっている。体の外から放射線を浴びることを「外部被ばく」と呼ぶ。被ばく量は、内部と外部の両方を考慮する必要がある。

 放射線医学総合研究所は、東京に住む人が1カ月間に受けた累積放射線量(3月14日~4月11日)を観測結果をもとに推計した。
 外部被ばく量は0・016ミリシーベルト、内部被ばく量は0・1ミリシーベルトで、計約0・116ミリシーベルトだった。
 東京とニューヨーク間を航空機で往復したときに浴びる自然放射線量より少なく、健康に影響を与えるレベルではない。



 受ける放射線量は、放射性物質ごとに決められた換算係数を用いれば計算できる。
 例えば、水道水1リットル(1キログラム)当たりヨウ素131が8・59ベクレル含まれる場合(都が3月18日~4月11日に発表した数値の平均値)、成人の体への影響を考慮したヨウ素131の係数(ミリシーベルトの場合は0・000022)を掛けて、さらに飲んだ量を掛け算する。(上表参照)

 普段、私たちは自然界から絶えず放射線を受けている。
 「自然放射線」だ。
 大地の岩石から気体状の「ラドン」が放出され、宇宙からも降り注ぐ。
 航空機の乗務員の被ばく量が高いのはこのためだ。
 野菜などの食品にも、放射性のカリウム40が含まれる。
 日本人は1人当たり年間約1・5ミリシーベルトの自然放射線量を浴びている。



 世界には大地からの放射線量が高い地域があり、イラン・ラムサールやブラジル・ガラパリでは年平均10ミリシーベルトで、日本(同0・43ミリシーベルト)の20倍高い。
 このほか、60年代の大気圏核実験でまき散らされたセシウムなどの放射線も浴びているが、ピーク時の0・11ミリシーベルトの20分の1に減っている。(上グラフ参照)

 エックス線検査などによる医療被ばくは、日本人1人当たり年間2・3ミリシーベルトで、自然放射線量より多い。
 放射線治療では部分的に数万ミリシーベルトの放射線を浴びるが、佐々木康人・日本アイソトープ協会常務理事は
 「少しずつがんのある場所にだけ照射する。
 全身に受けるのとは影響の大きさが違う」
と説明する。

 ●「直ちに影響ない」の意味



 福島第1原発の事故の影響で、福島県をはじめとする複数の自治体で、現在も大気中の放射線量が通常より高い状態が続く。
 野菜や水からも放射性物質が検出された。
 政府は
 「直ちに健康に影響はない」
と繰り返し、多くの専門家も
 「累積で100ミリシーベルトまでなら問題ない」
と説明する。
 専門家が「低線量被ばく」と呼ぶ100ミリシーベルト未満の被ばくの影響は、どこまで解明されているのだろうか。

 放射線は、細胞や核の中のDNAを傷つける。
 1000ミリシーベルト以上の高い線量の放射線を浴びると、脱毛や不妊などの急性障害が出る。
 最悪の場合は死亡する。
 それより少ない線量では、急性障害は起こらないが、被ばく後、数年から数十年たって発症するがんや、子や孫の代に生じる先天性異常などが心配される。

 広島・長崎の原爆被爆者約9万3000人の半世紀以上にわたる追跡調査から、100ミリシーベルト以上では、被ばく線量が高いほど、がん発症率が直線的に増えることが分かっている。
 つまり、線量が2倍になれば、がんになる確率も2倍になる。
 放射線医学総合研究所によると、仮に1000人が100ミリシーベルト被ばくしたとすると、後にがんで死亡する人は、元々の300人から305人に増える。

 100ミリシーベルト未満の低線量では、同様にがん発症率が高まるかどうかは、明らかな証拠がない。
 がん発症には、食生活や喫煙など被ばく以外の要因もかかわり、放射線の影響かどうかを特定できないからだ。
 約10ミリシーベルトの影響を調べるには、1000万人の被ばく者が必要と試算されている。
 科学者の間では
 「○ミリシーベルト未満ならば健康影響がないという『しきい値』がある」
 「低線量でも直線的にがん発症率が増え、しきい値がない(LNT仮説)」
などと見解が分かれている。

 各国の放射線防護策に影響を与えている国際放射線防護委員会(ICRP)は
 「リスクを過小評価せずに予防できる」
として、LNT仮説を採用して、基準値を設定している。

 ICRP主委員会委員の丹羽太貫(おおつら)・京都大名誉教授(放射線生物学)は
 「低線量被ばくをどこまで防ぐかは、費用や社会的影響を考慮して考えなければならない」
と話す。



 ●新たな避難指示の根拠

 「福島県内の5市町村を計画的避難区域(一部地域の場合を含む)に指定します」。
 4月11日、政府が新たな指示を出し、計画的避難区域では住民が1カ月程度で避難することになった。
 対象市町村をどこにするかで目安となった累積放射線量が年間20ミリシーベルトだ。

 健康影響を減らすための目安は、国際放射線防護委員会(ICRP)や国際原子力機関(IAEA)が提示している。

 例えば、ICRPの90年勧告では、対策を取らないと2日間で5~50ミリシーベルト浴びるような地域では屋内退避を求めた。
 また、1週間で50~500ミリシーベルトの地域で一時的に避難するとしている。
 一方、IAEAは「屋内退避10ミリシーベルト(2日間)、避難50ミリシーベルト(1週間)」と提言した。
 こうした指摘を受け、日本の防災指針は
 「予測される累積の放射線量が10~50ミリシーベルトで屋内退避、50ミリシーベルト以上で避難」
としている。

 07年にICRPが公表した勧告では、原子力施設が正常か異常かで、住民や作業員の被ばく線量を「3分類」している。
 住民の場合、
(1):平常時である「計画被ばく状況」で年間1ミリシーベルト
(2):事故などで放射線管理ができない「緊急時被ばく状況」では年間20~100ミリシーベルト
(3):放射線の影響が残る復旧期「現存被ばく状況」で年間1~20ミリシーベルト
--としている。

 平常時には放射線を扱う施設を厳格に管理し、がんの発症リスクを少しでも減らす。
 だが、原発事故が起こりすぐに放射線量を下げられなくなった場合は、目前に迫った急性障害を優先的に回避することを目指す、という考え方だ。
 緊急時の年間20ミリシーベルトという値は、原発や医療現場で働いている人の平常時の上限を参考にした。
 安全か危険かの境界線ではなく、50年間働く場合に、自然災害など他のリスクと比べてぎりぎり受け入れられる上限として設定された。

 また、政府は計画的避難で実際の避難までに1カ月の猶予を持たせた。
 これは、がん発生のリスクが高くなるという明確な証拠があるのは100ミリシーベルト以上で、
 「生活への影響も考慮すると、一刻を争って避難する状況ではない」
というのが理由だ。

 ICRP専門委員の甲斐倫明・大分県立看護科学大教授は
 「最も優先されるのが、(胎児への影響など)重い急性障害が確実に出る高い被ばくを絶対に避けることだ。
 その上で、住民の場合は、100ミリシーベルト未満の幅を持った値の中で対策を検討し、生活を変える負担も考慮しながら被ばく量を減らす努力をすることが重要だ」
と指摘する。

◇:ベクレルとシーベルト、何が違うの? 
 放射線は人から人に感染するの?

Q: 放射線って何?
A: すべての物質は原子でできています。
 多くの原子は安定していますが、中には不安定でエネルギーを放出して別の原子に変わるものがあります。
 そのときに出る強いエネルギーが放射線です。
 アルファ線、ベータ線、エックス線などがあります。
 アルファ線は紙1枚で遮蔽(しゃへい)できます。
 エックス線は人体の表面を通過するので、その性質を利用して医療に利用されています。
 放射線を出す物質を「放射性物質」といいます。
 放射線を出す能力が「放射能」です。

Q: ベクレル、シーベルトという言葉を耳にします。
A: ベクレルは放射線を出す物質の側から見た、放射能の強さを表す単位です。
 放射線を出すのに1秒間に何個の原子核が変化したかを意味します。
 「野菜から○ベクレル検出」というのは、
 「その野菜から○ベクレルの能力を持った放射性物質が見つかった」
ということです。
 シーベルトは放射線を受ける側を主役にした単位で、
 「放射線のエネルギーをどれくらい吸収した(する)か」
を表します。
 体への影響を考えるときにはシーベルトを参考にします。
 なお、ベクレルはウランから放射線が出るのを発見したフランスの学者、シーベルトは放射線が人体に与える影響を研究したスウェーデンの学者の名前です。

Q: 放射線は人間の体に影響を与えるの?
A: 私たちは普段の生活の中でも宇宙や大地などから放射線を受けていて、傷つけられたDNAを修復したり、異常が生じた細胞を排除して健康に影響が出ないようにしています。ただし、一度にたくさんの放射線を受けると修復が追いつかなくなります。

Q: 具体的にどんな異常が起こるの?
A: 一度に1000ミリシーベルト以上の放射線を受けると、その量に応じてリンパ球減少や脱毛などの深刻な影響(急性障害)が出ると言われています。
 急性障害が出ないような、比較的少ない被ばく量でも将来がんが発症するリスクはありますが、
 「何ミリシーベルト以上で全員ががん発症」
とか、
 「何ミリシーベルト以下であれば絶対安全」
という明確な境界線はありません。

Q: 放射線ってインフルエンザみたいに人から人に感染するの?
A: 放射線は被ばくした人や物から感染するものではなく、体の中で増殖することもありません。
 ただし放射性物質が付着した塵(ちり)が風で飛んだりして、発生源から離れた場所にいる人も被ばくの可能性があります。
 被ばくを最小限に抑えるのは、外で着た服を着替えたり、体を洗ったりすることでできます。この行為を除染と呼んでいます。

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◆: もっと知りたい人は
◇: 「もっとわかる 放射能・放射線」(北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部科学技術コミュニケーション教育研究部門)
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/news/article/121/

◇: 原子力・エネルギー教育支援情報提供サイト「あとみん」
http://www.atomin.go.jp/

◇: 日本アイソトープ協会
http://www.jrias.or.jp/index.cfm/1,14676,3,html

◇: 放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/index.shtml

◇: 放射能と人体 くらしの中の放射線(渡利一夫・稲葉次郎編、研成社、1680円)
◇: 虎の巻 低線量放射線と健康影響(放射線医学総合研究所編著、医療科学社、2625円)

==============

 ■ベクレルとシーベルトの換算式

受ける放射線量(ミリシーベルト)
 =換算係数×放射能の強さ(ベクレル/キログラム)×飲食量(キログラム)

例): 都内の水道水から検出されたヨウ素131(8.59ベクレル/キログラム)、セシウム137(0.45ベクレル/キログラム)を含む水を、成人が1日あたり1.65リットル(キログラム)、29日間飲んだ場合

●ヨウ素131:  
 0.000022(換算係数)×8.59(ベクレル/キログラム)×1.65(キログラム/日)×29(日)=0.009ミリシーベルト

●セシウム137:
 0.000013(換算係数)×0.45(ベクレル/キログラム)×1.65(キログラム/日)×29(日)=0.00028ミリシーベルト

● 合計      0.00928ミリシーベルト

※放射線医学総合研究所の資料をもとに作成

==============

■ことば

 ◇ICRP
 専門家の立場から放射線防護について勧告を行う国際組織。
 前身は1928年に作られ50年に現在の名称になった。
 主委員会と五つの専門委員会で構成される。
 勧告は国際原子力機関(IAEA)の安全基準や各国の放射線障害防止に関する法令の基礎にされている。





== 東日本大震災 == 



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企業の日本脱出

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● 朝鮮日報より



朝鮮日報 2011/05/10 09:30:04
http://www.chosunonline.com/news/20110510000023

電力難受け、海外脱出を検討する日本企業
浜岡原発の稼働中断


 中部電力は9日に菅直人首相の要請を受け入れ、静岡県御前崎市にある浜岡原子力発電所の稼働を中断することを決めた。
 この結果、トヨタ自動車の本社や工場が密集する愛知県など、中部地方で夏の電力需要に問題が生じる可能性が高まっている。
 今年3月の東日本大震災による福島第一原発事故の影響で、すでに関東地方では電力難に苦しんでいるが、今回の浜岡原発の稼働中断により、これまで電力に比較的余裕があるとされた中部地方も同じような状況になるとみられる。
 電力難は今後3年から4年は続く見込みで、結果的に日本の各メーカーによる海外移転が増え、最終的に「電力難不況」につながる可能性も指摘されている。

■自動車産業の中心地、愛知県でも電力難の可能性

 浜岡原発を管理する中部電力は、愛知県、岐阜県、三重県などに電力を供給している。
 中部電力の電力生産能力は2999万キロワットで、当初は今年夏の電力需要に比べ439万キロワットほど余裕があった。
 しかし浜岡原発(361万7000キロワット)が稼働を中断すれば、電力の余裕は77万キロワットにまで大幅に落ち込む。
 夏に気温が1度上昇するたびに、冷房需要が80万キロワット増えることから、今夏は中部地方でも厳しい電力難が避けられない見通しだ。

 そのため中部電力管内で電力需要の40%を占めるトヨタ自動車など各メーカーは、非常に緊張している。
 日本国内にあるトヨタの17工場のうち、9 工場が中部電力から電力の供給を受けている。
 そのため、電力難による首都圏や東北地方での生産縮小を挽回する計画も、見直しが迫られる。
 中部電力はこれまで閉鎖されていた知多火力発電所などの遊休設備(184万キロワット)を再稼働する予定だが、整備のために必要な期間などを考慮すれば、夏の電力需要のピーク時に電力需要を賄えるかは今のところ不透明だ。

 中部電力の関係者は
 「首相の要請は事実上の命令のため、稼働を中断しないわけにはいかない」
 「今後2-3年間に大型の津波に備えるための防潮堤建設工事を完了し、再稼働を目指したい」
と述べた。
 中部電力は電力の周波数が同じ関西地方から電力の融通を受けるなど、非常対策を取りまとめた上で、近く原発の稼働を中断する予定だ。

■原発は小さな異常でも稼働中断

 東京など首都圏に電力を供給する東京電力は、電力難を少しでも補うためにタイから緊急空輸した発電設備などを活用し、この夏には5500万キロワットにまで電力供給を増やす計画だ。
 しかし、それでも昨夏の電力供給のピークだった6000万キロワットには遠く及ばない。
 日本政府は自動販売機の使用制限といった節電運動や、工場の集団休業などで停電だけは何とか回避したい考えだ。

 さらに大きな問題は、電力難が全国に広まる可能性があるという点だ。
 日本の原発依存度は電力供給量全体の30%ほどを占める。
 現在、日本では54 基の原子炉が稼働しているが、そのうち福島第一原発など11基は地震の影響で今もストップしたままだ。
 また、21基は夏の電力需要のピークに備えて定期点検を行っており、やはり稼働がストップしている状態だ。
 ただしこれについては
 「電力各社が地元住民の反発を恐れて稼働を再開できないのではないか」
という懸念の声も上がっている。

 日本政府は今のところ特別な異常がないにもかかわらず、地震や津波に弱いという理由で浜岡原発の稼働中断を命じるなど、原発の安全性に非常に神経質になっている。以前ならさほど問題視されなかった小さな故障が起こった場合でも、今では原発全体をストップさせている。このようなことが今後も続けば、電力難がさらに深刻になることも考えられる。

■工場の海外移転が進む可能性も

 日本企業各社も電力難対策として、地震による影響を受けていない地域への移転を進めている。
 TOTOは千葉県にある工場の一部を福岡県に移転させることを決めた。
 また日本最大の健康関連商品通販サイト、ケンコーコムも東京本社に勤務する70人を福岡に転勤させた。
 日立とシャープは地震発生後、台湾・奇美電子(CMO)へのテレビ用液晶パネル委託生産量を増やした。
 台湾のマスコミは最近
 「委託生産の拡大は工場全体の台湾移転につながる可能性がある」
と報じている。

 企業は社会の雰囲気を考慮し、すぐに工場を海外に移転させるような動きは見られないが、委託生産の拡大などという形で間接的に海外に移転した場合、日本の景気不振がさらに拡大するとの見方もある。
 東京工科大学の尾崎弘之教授はある新聞への寄稿で
 「多くの企業が電力難の影響で東京から愛知県などに生産拠点を移しているが、今ではこれも難しくなった。
 最終的には中国など海外に移転しようとするのではないか」
との懸念を示した。




朝鮮日報  : 2011/04/30 12:05:19
http://www.chosunonline.com/news/20110430000037

東日本巨大地震:被災工場の60%が復旧
放射能の風評被害解消せず

 日本経済は大地震と津波の被害で打撃を受けたが、大規模な復興需要で来年からは回復に向かうというシナリオが有力視されている。
 しかし、そうした楽観論は日本が三つのリスクを克服することを前提としている。

 第一に地震と津波で崩壊した製造業のサプライチェーンの復旧、
 第二に原発の運転停止による電力不足の解決、
 第三に放射能汚染による風評被害の克服だ。

 地震発生から50日が過ぎた現在、第一の問題は確実に正常化に向かっており、第二の問題も緩和の方向に向かっている。
 しかし、第三の問題はさらに楽観できない方向へと進展している。
 これら三つのリスク要因を基に、日本の大地震とその後を検証してみる。

【問題1】:製造業のサプライチェーンの復旧のめどは

 大地震の被害で操業が中断した東北地方の主要企業は、順調に正常化に向けて動いている。
 大打撃を受けたトヨタなどの自動車工場は、18日までに全ての操業を再開した。
 現在の稼働率は50%前後だ。
 一次下請けの部品メーカーは大半が正常化したが、二次下請けのメーカーがまだ復旧できていないためだ。
 しかし、二次下請けメーカーも遅くとも年内には正常化するものと見込まれる。
 トヨタとホンダは7月から稼働率を高め、年末までに地震以前の生産水準を取り戻す計画だ。

 日本の経済産業省によると、東北地方で被害を受けた主な工場の60%が既に復旧し、残る30%も7月までに操業を再開する見通しだ。
 だが、直接津波の被害を受けた工場や放射能汚染地域にある工場など10%はいまだに正常化のめどが立っていない。

 操業中断により、日本だけでなく世界の製造業に影響を与えた電子業界の工場も上半期中に再稼働する予定だ。
 スマートフォン(多機能携帯電話端末)のiPhone向けに液晶ディスプレーを供給する東芝は5月、自動車制御用マイクロコンピューターでシェア30%を占めるルネサスエレクトロニクスは6月を操業再開目標としている。
 リチウムイオン電池用の接着剤で70%のシェアを占めるクレハのいわき事業所(福島県)も5月に操業を再開する予定だ。

 もちろん東北地方の工場が年内に全て復旧したとしても、日本の製造業が直ちに正常化するわけではない。
 世界企業はもちろん、日本企業も東北地方の工場が復旧するまで待ってはくれないからだ。
 経済産業省の調査によると、主要完成品メーカーの70%が既に日本のほかの地域や、中国、韓国など他国で代替調達先を確保したという。
 1995年の阪神・淡路大震災の当時、完全に復旧するまでに2年かかった神戸港の場合、復旧までの期間に韓国の釜山港に奪われた物流を取り戻すことができず、三流港湾に転落したまま現在に至っている。

【問題2】:電力不足による悪影響は?

 日本政府は28日、最大消費電力の削減目標を昨年夏に比べ 15%に設定した。
 原発の運転休止による電力不足を緩和するため、企業と家庭で電力使用量を15%削減しようということだ。
 目標値は今月8日に発表された数値(大規模工場で25%、中小工場で20%、一般家庭で(15-20%)よりも緩和された。

 首都圏と東北地方の夏の最大消費電力は6000万キロワット。
 大地震による電力供給不足で当初予想された供給能力は4650万キロワットにすぎなかった。
 消費電力が供給電力を少しでも超えた瞬間に大規模停電が発生する。
 首都圏でそうした事態が3日間続いた場合、日本の国内総生産(GDP)は 0.3%低下すると予想される。
 日本政府はこのような事態を回避するため、25%という削減目標を立てたが、今度は25%削減すれば、7-9月の鉱工業生産が7.2%減少するという見通しが示された。
 行き過ぎた節約が経済を崩壊させる「自粛ムード警戒論」も浮上した。
 国内外の専門家が日本経済にとって最大の不安要因として電力不足を挙げているのもそのためだ。

 これを受け、日本政府は老朽化した火力発電所まで総動員し、7月末までに最大供給電力を5200万キロワットまで引き上げる方針を明らかにした。
 この場合、企業と家庭が15%節電すれば、大規模停電には至らない計算となる。
 今夏を乗り切れば、日本は来年夏まで電力事情の復旧に向けた時間を稼ぐことができる。

【問題3】:風評被害はいつまで続くのか

 東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れでは、韓国で発生した「米国産牛肉騒動」のような現象は起きていない。
 首都圏で福島県産の農産物を購入する運動が起こるなど、被災地の農産物を保護し、偏見をなくそうとする動きも出ている。

 問題は海外だ。
 韓国、中国など30カ国・地域が、福島原発周辺で生産された農産物の輸入を中止した。
 中東ではあらゆる日本食品の輸入を中断する極端なケースも見られる。
 10カ国・地域は日本製の自動車、電子製品の輸入も規制している。
 農水産物はもちろん、工業製品まで原発の影響を受けた格好だ。
 工業製品は農産物とは異なり、日本の主要輸出品目だ。

 世界各国で日本産に対するイメージが高品質から警戒対象へと変わっている。
 米国では日本から到着した船舶や航空機を対象に放射線検査が実施されているほか、欧州連合(EU)は加盟国に対し、毎時0.2マイクロシーベルトという検査基準を示した。
 ドイツは日本製の自動車と電子製品を対象にサンプル検査を実施しており、台湾は毎時0.2マイクロシーベルトを超える放射線量が検出された製品を返品するとの基準を設けた。
 こうした流れを受け、外国船舶の中には、日本への寄港自体を拒否するケースも出ている。

 日本のメディアは各国による措置を
 「日本外し」
として批判し、日本政府も各国に「不当な規制だ」と抗議しているが、原発問題はさらに拡大しており、対策を見出せないのが現状だ。
 フランス政府は日本政府の抗議について
 「日本が正確な情報を提供しない限り、フランスメディアによる日本関連の報道を信じるしかない」
と切り捨てた。

 現在、最も風評被害を受けているのが観光産業だ。
 日本政府観光局(JNTO)によると、大地震が発生した3月の外国人訪問客は前年同月比 50.3%減の35万人にとどまった。
 出張などのビジネス客が含まれることを考慮すると、純粋な観光客は前年の10-20%にとどまったと推定される。
 さらに、日本人の観光客も減少し、日本のホテルや旅館の宿泊キャンセルは3月だけで56万人分に達した。
 被災地の東北地方や関東地方の39万人分に加え、地震や原発事故の被害を受けていない地域でも17万人分のキャンセルが発生し、日本の宿泊施設では今も開店休業状態が続いている。

 原発問題は長期化しており、風評被害がいつまで続くか誰も予想できない状況だ。
 ようやく落ち着きを取り戻しつつある日本国民も、長期的に放射性物質がさらに拡散するようなことになれば、国産の農産物や工業製品に拒否反応を示す可能性もある。

 日本経済は80%を内需に依存しており、
 日本の消費者が動揺すれば、経済全般が大きな打撃を受ける。
 製造業のサプライチェーン問題、電力不足の問題を速やかに克服したとしても、風評被害を一刻も早く収拾できなければ、日本経済の回復に向けたシナリオは実現が難しい。




毎日.jp 2011年4月27日 東京朝刊
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110427ddm001040053000c.html

東日本大震災:生産拠点6割復旧 部品調達は進まず--被災企業調査

 経済産業省は26日、東日本大震災後の企業の現状や部品の調達状況に関する緊急調査結果を発表した。
 被災した生産拠点は6割強が復旧し10月には原材料や部品を十分調達できる企業が8割程度に上る見通しだが、産業界では「十分回復するには年内いっぱいかかる」との見方も出ている。

 調査は8~15日に国内の大企業80社(製造業55社、小売り・サービス業25社)を対象に実施。
 製造業55社の被災地(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の7県)にある70カ所の生産拠点で「復旧済み」は64%、「夏までに回復する」が26%だった。
 一方、「半年後以上1年以内」「わからない」との回答が計10%あり、被害の深刻さをうかがわせる。

 十分に部品・原材料が調達できるようになる時期についての回答も厳しさをうかがわせる。
 すでに部品などを調達済みと回答したのは、自動車・電機など加工業で6%、鉄鋼・非鉄など素材業で8%にとどまった。
 10月に十分調達できるとの回答は、加工業で71%、素材業で85%だった。
 一方、「わからない」との回答も加工業で29%、素材業で15%に上った(部品は複数回答)。

 自動車の制御系電子部品で世界首位のルネサスエレクトロニクスでは、主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)が6月15日に一部で再開する。
 しかし、同社は毎日新聞の取材に
 「いつ震災前の水準に戻るか分からない」
ことを明らかにした。
 半導体材料大手の信越化学工業のシリコンウエハー製造子会社「信越半導体」の白河工場(福島県西郷村)は4月末にも一部生産を再開するが「フル稼働の時期は未定」。
 寸断されたサプライチェーン(供給網)の復旧の道はなお不透明だ。

 小売り・サービス業調査は業態で明暗が分かれた。
 コンビニ、ホームセンター、ドラッグストア運営会社の3月の売上高は、食料品や災害対策用品が好調で、前年同月比10%以上の増収だった。
 一方、百貨店は1社が16・8%減、もう1社が11・0%減と落ち込んだ。




東洋経済 2011/04/26 | 18:35
http://www.toyokeizai.net/business/industrial/detail/AC/0aca4f4234803abb0cf2c2ca001c5b03/

被災した数千隻以上の漁船、「国内の生産能力ではとても足りない」との声も

 東日本震災で大きな被害を受けた三陸沖の漁業。政府が漁港などのインフラ整備の復興プランを検討する中、損傷して使えなくなった漁船を新しい漁船に置き換えることも大きな課題になる。

 地震で被災した漁船の数は漁船保険に加入しているだけで数千隻以上と推測される。
 一方、漁業関係者からは、
 「国内の漁船の生産能力ではとても置き換えることはできない
と危惧する声が出ている。

 そのワケは、過去の不況で国内の漁船生産能力が縮小していることに加え、宮城・気仙沼など被災地にある多くの漁船製造業者も大きな被害を受けて操業が止まっているからだ。

 さらに漁船独特の性格もある。
 漁船は貨物船、タンカーなどの商船と異なり、漁業者ごとに仕様が細かく異なるカスタムメイドの傾向が強い。
 漁業者の事業属性(マグロ漁、イカ漁、巻き網漁か、など)がそれぞれ異なるうえ、漁業法、いけす、ソナーなど装備も微妙に異なるので、大量生産しにくいという。

 造船能力を持つ韓国や中国で日本の漁船を建造してもらう解決策も考えられるが、漁業関係者からは、
 「それも難しいのではないか」
という声が出る。漁船建造業者ごとに、独自の設計図、木型、金型や製造ノウハウも持っている。
 「こうしたノウハウを簡単に海外に渡すとは思えない」(漁業関係者)
からだ。

 また、漁船は国内の検査規制により20トン未満と20トン以上で線引きされている。
 遠洋漁業を行うマグロ漁船でも399トンとか439トンという大きさで、海外の造船業者が喜んで請ける仕事ではないからだ。
 さらに、100トン以下の小型漁船の船体はFRP製が多い。
 こうしたFRP製漁船の主要な生産業者はヤマハ、ヤンマーになるが、
 「ヤマハやヤンマーが増産投資をしてまで、採算の低い小型漁船を国内復興需要を満たす水準まで増産するかどうか」
という推測もあがる。

 世界的に貨物船の需要が高まり、生産能力がタイトになっている中で、日本の漁船の復興需要を満たすことは、かなり困難が予想される。この分野でもさまざまな政府の助成が必要になるだろう。




レコードチャイナ  2011-04-18 08:59:25 配信
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=50696

東日本大震災による日本ハイテク企業の海外移転、
中国を避け東南アジアに―中国メディア

 2011年4月17日、中国のポータルサイトSOHU.comは、日本のハイテク産業の海外移転が進んでいるが、移転先として中国を意図的に避け、東南アジア地域などを選んでいるとする記事を掲載した。
 以下はその概要。

 マレーシア、タイ、インドネシア、台湾などは、東日本大震災を受けた日本産業の海外移転による受益者となる。
 電子製品を生産するニコンなどはすでに東南アジアで増産を進めると表明しているが、日本製品の最大の市場である中国は、戦略的に排斥されている。
 しかも、震災後移転を進めているのはハイテク産業における製造、研究開発、部品供給管理システムなど中国が誘致を強く希望していた分野だ。

 日本企業が中国を意図的に避けた背景には、中国市場を失いたくないとの思惑があるとみられる。
 日本製品の高級品としてのポジショニングを保つため、「メイドインチャイナ」の文字が製品にあっては困るのだ。

 台湾は地理的にも日本に近く、長期的な協力関係にあるため、日本のハイテク企業の移転先に最も適している。
 日立は液晶テレビなどの台湾での委託生産比率を増加する予定だ。
 ニコンも仙台の工場からマレーシアへ生産拠点を移転する計画を立てている。
 ニコンが生産拠点としてマレーシアを選んだ理由として、ある関係者は
 「中国に移転すれば技術の流出や
  品質の低下が避けられないからだ

と分析する。

 日本は典型的なハイテク強国であり、産業立国だ。
 製造業の海外移転が進んではいるものの、核となる技術は日本国内にとどめている。
 だが東日本大震災で重要な日本製部品の供給不足に陥り、日本産業のリスクを暴露してしまった。

 ハイテク技術の海外移転が進めば、日本産業の空洞化が起こる可能性は高い。




サーチナニュース 2011/04/16(土) 14:10  
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0416&f=national_0416_109.shtml

原発事故で外資が東京から香港へ、日本経済に大打撃=中国

  福島第1原発事故の国際原子力事象評価尺度(INES)がレベル7に引き上げられたことを受けて、香港の財政界からは
 「日本の原発事故の成り行きが不透明のため、日本の復旧作業は遅れている。
 また日本経済の先行きもマイナスで、在日外資系企業の日本離れが進む」
との見解を示した。
 中国新聞社が報じた。

  恒生銀行の温灼培氏は震災の影響について、
 「日本円の価値が下がり、日本の輸出は大打撃を受けると見ている。
 また、日本の電子、食品の輸出減少、日本旅行客の減少は外貨収益に影響を及ぼすだろう」
と述べた。

  さらに、時富資産管理有限公司の李韻儀氏は
 「外資銀行に東京離れのきざしが見られる。もし資金が日本から流出するなら日本の経済復興に大打撃を与える。
 日本はずっとゼロ金利政策をとっているため、日本は経済を刺激するための資金が不足してしまう」
と予測している。

  李氏は続けて、
 「原発事故以来、香港のホテル需要が上昇しており、在日外資系企業が香港に移転している傾向が見られる。
 香港のビジネス環境は整っているため、もし原発事故処理が長期化するなら、香港はこれら人材と資金を吸収できるだろう」
と指摘した。






== 東日本大震災 == 



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節約生活:スローライフの定着

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● http://kijisan.tumblr.com/post/3864106088/pixiv より




Record China 2011年04月30日14時09分
http://news.livedoor.com/article/detail/5528185/

自粛ムード漂う日本、
 このまま「倹約生活」が定着するのか?―英メディア

 28日、英メディアは、東日本大震災後の
 日本で高まる倹約ムード
が一時的なもので終わらない気配を見せていると報じた。

 2011年4月28日、英フィナンシャル・タイムズの中国語版ウェブサイトは、東日本大震災後の日本で高まる倹約ムードが一時的なもので終わらない気配を見せていると報じた。
 以下はその内容。

 桜の季節を迎えた日本で、今年は花見や宴会を自粛するムードが高まっている。
 「日本人は津波をうまく利用して我欲を1回洗い落とす必要がある。天罰だと思う」
と発言した石原慎太郎都知事は、この季節の日本人に欠かせない花見を
 「飲んで騒ぐのは不謹慎」
だと自粛を提唱。
 一方、政府は復興のためにあえて積極的に消費してほしいと啓発キャンペーンを始めた。
 岩手県の5代目蔵元、久慈浩介さんも動画サイト「YouTube」を通じて
 「被災地の復興のため花見をしてほしい」
と呼び掛けている。

 日本がバブルの時代、金箔を料理にかけて食べる成金も存在したが、大半の国民は冷静だった。
 相変わらず魚の骨をつまみにしていたし、自宅でもセントラルヒーティングではなく狭いマンションで足の付いていない大きな皿ほどの大きさのアイロン台を使って暖を取っていた。
 公務員の千葉さんは
 「小さい頃から『もったいないことをするな』と教えられてきました。普段から節約するのは当たり前の感覚なんです」
と話す。

 日本人のこうした習慣は震災後、再び脚光を浴びている。
 節電のため、駅のエスカレーターは止まり、人々は重いスーツケースを抱えて階段を1段ずつ上がっている。
 家でもなるべく冷蔵庫の扉を開けないようにし、豪華な外食も自粛。
 避難所での生活を強いられている被災地の方々を思えば、そのような場所で食事を楽しむなどもってのほかというわけだ。

 こうした倹約生活は日本が復興を遂げた後も続くのではないか。
 震災前から人気の高かったスローライフが、震災を機にさらに広がる気配をみせている。
 野球の試合もわざわざナイターで行う必要があるのかと言われるようになった。

 だが、このまま倹約を続けていくと、経済活動は停滞する。
 復興のための財源はどう確保すれば良いのか?
 野村証券のグローバルチーフエコノミスト、ポール・シアード氏は
 「日本はデフレを脱し、経済復興をはかる絶好のチャンス。
 自粛などすべきでない」
と指摘している。


 「倹約」というとなにか悲壮感がある。
 それはぎりぎりのところで更に切り詰める、といった雰囲気がある。
 「節約」というと、ムダを省きましょう、といった感じで、生活の余ったものをカットするということになる。
 例えば、「電気が足りないから原発が必要」といった状況には日本はなっていない。
 それが証拠に、現在6割ほどの原発がとまっているが、やりくりでやろうと思えばやっていかれることが分かっている。
 ただ、お手軽だから原発を使っているだけに過ぎない、ということがミエミエに分かってきている。



サーチナニュース 2011/04/29(金) 20:17
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0429&f=column_0429_011.shtml

地震後の 今後の不安は 「景気」と「電力」



 リサーチ・アンド・ディベロプメントは2011年4月25日、東日本大地震の本震一か月後における、
 首都圏での生活・意識に関する調査結果
を発表した。
 それによると調査母体では
1. 「本震一か月後に景気の悪化で生活が苦しくなること」
2. 「電力不足で不便な生活を強いられること」
3. 「大規模な地震の再発」
の3点において、多くの人が不安・心配を抱えていることが分かった。
 特に景気の悪化に対しては、4割以上の人が強い不安を感じている。

【発表リリース、pdf】
http://www.rad.co.jp/client/core/2011SmOP/20110425newsrelease.pdf

 今調査は2011年4月8日から11日にかけて首都圏40キロ圏内に住む18~74歳の男女に対して、インターネット経由で行われたもの。
 有効回答数は 3088人。
 また2010年10月20日から11月1日にも同様の調査が行われており、こちらの有効回答数は4260人。
 両者とも国勢調査の人口構成比にあわせてウェイトバックを実施している。
 また、2010年10月の調査回答者に対し、2011年4月の調査が依頼されている。

  【東日本大地震後の不安要素は原発、そして被災地への支援状況】や
http://www.garbagenews.net/archives/1740856.html
 【震災後の不安要素、最上位は「福島原発」】
http://www.garbagenews.net/archives/1725273.html
にもあるように、東日本大地震の後には多くの人がさまざまな不安を抱えている。

 それでは本震から一か月経過した今調査時点では、どのような事に対する不安があるのだろうか。

  今回提起された要件の中では、
 「景気が悪化し、不況で生活が苦しくなるかもしれない」
という不安や心配を抱く人が一番多く、心配の強度を別にすれば9割の人が不安に思っている。
 第二位の「電力不足で不便な生活を強いられるかもしれない」や
 第三位の「地震が再発して自分や家族が被害にあうかもしれない」
も単なる不安という点ならほぼ同じで、不安の強度の違いがあるに過ぎない。

  興味深いのは、地震の再来による物理的・直接的な被害への不安より、地震によって生じた影響による、今後の日常生活に与える深い傷跡への心配が大きいこと。
 人々の心理が
 「地震(再来)への臨戦体制」
から
 「地震による被害の修復体制」
に移行したという受け止め方もできるし、受けた影響の大きさによるプレッシャーがあまりにも大きいとする見方もできる。
 いずれにせよ、余震への不安ばかりを覚えていた本震直後とは、心理的状況に変化が生じていることには違いない。

  また、人がどのような不安を抱こうが抱くまいが、地震が再び起きる確率に変化はない。
 しかし将来への生活の苦しさを懸念する人が多いほど、社会全体は保守的となり、消費性向がセーブされる傾向になる。
 いわば「防御姿勢」に移行するというわけだ。

 【震災の不安が人々を保守的に】や今調査別項目でもその傾向が確認できる。

  地震・震災による直接的な被害・損失の状況(電力供給不足や原発事故問題など)が継続している現状では望むべくもないが、例えそれらが鎮静化、修復改善の見通しが立ったとしても、人々の心理状態に与えた影響は余りにも大き過ぎる。
 震災前の状況に回復するとしても、少なからぬ月日が必要になることは間違いない。
 あるいはこの変化すら受け止める形で、中長期的な社会の流れが構成されていくのかもしれない。

 リサーチ・アンド・ディベロプメントなどでは今後も定期的に調査を実施し、生活者の動向をレポートしていくとのこと。
 注意深く動向を見守りたいところだ。(情報提供:Garbagenews.com)




== 東日本大震災 == 



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再生可能エネルギー

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● 「再生可能エネルギー」より
http://www.cesarebasile.com/




ロイター 2011年 05月 10日 13:50 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-21005020110510

再生可能エネルギー、40年後に総電力の最大77%に=国連

 [アブダビ 9日 ロイター]
 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は9日、太陽光や風・水力などを使った再生可能エネルギー発電は、各国で正しい政策が取られれば、2050年までに世界のエネルギー需要の約8割をまかなうことが可能だとする報告書を発表した。

 全26ページからなる同報告書は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されたIPCC会合で、各国代表が合意。
 世界のエネルギー需要に占める再生可能エネルギーの比率は現在12.9%だが、最も普及が進むシナリオでは、2050年までに77%まで引き上げることが可能だとしている。
 また、その場合は向こう40年で最大5600億トンの二酸化炭素排出量削減が見込めると試算している。

 報告書では、再生可能エネルギーは過去数年で急速に普及が進み、コストも低下していると指摘。
 パチャウリIPCC議長は記者会見で、
 「風力発電や太陽光発電は特に急増している」
と述べた。


 原発を止めれば、とりあえずは停止中の火力発電や新規のガスタービン発電で乗り切ることになる。
 そして徐々に節電意識が浸透し、少電力化スタイルが定着するにしたがって、再生可能エネルギーが原発にとって変わるものとして、取り入れられてくることはまず間違いない。
 上の国連発表によれば、40年後は最大77%が再生エネルギーに置き換わるとという。
 ちょっと本当かしら、と頭をかしげてしまうが、まあ
 話半分としても「1/3」ぐらいは置き換わる
と見ていい。
 ということは、日本でいうなら、原発分は確保できるということになる。
 つまり、これから原発が設計寿命でとまっていく分、再生エネルギーがその役割を負担していくことは充分考えられるということになる。
 その考えに立つと「脱原発」というのは決して夢物語ではなく
非常に大きな可能性のあるものだということになる。
 もちろん、今日明日ということではないが、やってみる価値がすこぶる大きなものであるということは確かだ。



Net Resarch News 2011年04月27日
http://www.netresearchnews.com/archives/3117826.html#more

原子力に代わるエネルギー=温暖化を気にしなければ火力でいいという見方も

 国際的な基準に基づく原発事故の評価でスリーマイル島の原発事故を上回り、チェルノブイリ原発事故と同じ、レベル7に並んだ福島第一原発事故。
 国内総電力の約3割を賄ってきた原子力発電ですが、事故を機に、
 原子力に代わる発電方法があるのか
議論が高まっている。

 livedoorネットリサーチでは
 「原子力に代わるエネルギーはあると思う?」
と題したアンケートを行い、2,283人から回答が寄せられました。

 結果は、62.1%の人が「原子力に代わるエネルギーはあると思う」
と回答しました。

 では、なぜ避けられると思わないのか、コメントを見てみると、

◆温暖化を問題にしないのなら、別に火力でいい。
 原子力は今も新型が色々発表されており、30年ぐらいたてば、かなり安全で扱いやすいものができてるだろう。
 それからでも遅くはない。
◆全家庭にソーラー設置した上で、火力・水力・原子力などの大型発電を考えましょう。
 そうしたら原子力は必要なくなってしまうような気がするのですが。
電力が足りないから30%を原発に頼ってる訳ではないからなぁ。
 電力が足りてるのに無理やり原発を造り130%にしてるのはなぜでしょうか?

 というように、
 電気が足りないから原発に頼っているわけではない
ので、当座は火力発電に置き換えればよい。
 各家庭にソーラーを設置した上で大型発電を考えるべきというコメントが見受けられました。

 一方、「原子力に代わるエネルギーはあると思わない」と回答した37.9%の人のコメントを見てみると、

◆太陽電池をご家庭に設置すると10年以上使わないと採算がとれないくらいバカ高い。
 いくら無機物で造られてる太陽電池でも10年も使えば老朽化してくるしな。
 採算とれた頃、ご交換ということになるな。全然お得じゃない。
◆一般家庭で使う程度なら、いくらでも小規模なモノはある。
 しかし、企業が経済活動に使う分は現実としてまかなえない。
 冷静に考える必要がある。
◆どう考えたって今のエネルギー問題で日本の電気需要をまかなうには原子力発電が不可欠。
 全て火力でとか自然エネルギーとか無知もはなはだしい。

 というように、
●.太陽電池では採算がとれないのではないか、
●.小規模発電は一般家庭用には良いが企業活動用としては賄えない、
●.全て火力や他の自然エネルギーに置き換えられるかは疑問で原発は不可欠
というコメントが見受けられました。

 原子力発電にとって替わる発電方法というのは簡単には見つからないという意見がある一方で、地震後東北地方の
 各原発が運転を停止しているにもかかわらず、休止していた火力発電所の復旧や、節電意識の高まりなどもあり現在のところ生活への影響は軽微に留まっています。

 原子力発電を直ちに止めることはできない以上、原子力発電の安全性を高めることも求められるし、それにとって替わる安全な発電方法の開発と実用化も同時進行しなければなりません。
 水力、火力、原子力をバランスよく組み合わた発電というのが、長年のコンセンサスになってきましたが、今回、福島で起こった原発事故は、それを覆すきっかけになるのでしょうか。





BLOGOSチャンネル 2011年04月25日17時23分
http://news.livedoor.com/article/detail/5515495/
木走正水(きばしりまさみず)
東京都在住のブロガー。政治経済、社会問題について分析。

原発の代わりになる再生可能エネルギーはこの国の地下に眠っている

 この度の大地震はあらためて説明するまでもなく日本が活発な火山活動及び地震活動の集中する環太平洋火山帯に属しておりプレート型連動地震であったことは、同じく環太平洋火山帯に属しているインドネシアで発生した大地震とメカニズムは同じであります。


● 図1:環太平洋火山帯(ウィキペディアより)

 図に赤く示されたこの太平洋を囲む環状の火山帯では世界の過半数の活火山が集中しております。

 日本中いたるところに温泉がわき出ています。
 環太平洋火山帯に属する地域ではマグマ溜まり由来の膨大な地熱が発生しており、その地熱埋蔵量を資源と見なせれば、日本はなんと世界屈指(3位)の資源大国となるのです。

■表1:世界の地熱資源量
国    名   活火山数  地熱資源量(万kW)
----------------------------------------------
アメリカ合衆国    160  3000
インドネシア     146   2779
日本         119    2347
フィリピン       47    600
メキシコ        39    600
アイスランド      33    580
ニュージーランド   20    365
イタリア        13    327



● 図2:世界の地熱資源量(グラフ)
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※データ出自 (独)産業技術総合研究所資料より
http://staff.aist.go.jp/toshi-tosha/geothermal/gate_day/presentation/AIST3-Muraoka.pdf

 ご覧いただければ一目瞭然ですが、アメリカ、インドネシア、日本、フィリピン、メキシコと、地下資源量上位5国がすべて環太平洋火山帯に属しており、表にも示しましたが当然ながら地熱資源量と活火山数には強い相関が見られるわけです。

 地熱発電はいろいろな方式がありますが、例えば現在は夢の技術である
 「マグマ発電
が実用化すれば、日本の場合、年間消費電力量の2.5倍~3倍の発電能力を有するという試算もあります。

 環太平洋火山帯の上にあることから火山噴火や大地震・津波という災害に見舞われてきた私たちでありますが、この地球活動のエネルギーを電力として利用できたならば、世界有数の資源大国に日本は生まれ変われます。

 今、ソフトバンクの孫正義社長の脱原発を目指して発足させる「自然エネルギー財団」の話題もあって、原子力に替わる新たな太陽光発電などの
 再生可能エネルギーについてその可能性についての議論
が盛んです。

 <略>

 しかしここで再生可能エネルギーとして地熱発電を考えたならば、天候や風力などの影響がありませんから24時間電力供給が可能であるという点では、完全に原子力の代役が務まります。

 実は豊富な熱源を有する日本ですが、ここ10年世界の地熱発電所が次々に稼働し始めている中で、この国ではわずか18カ所の地熱発電所が稼働しているだけです。
 その総発電量は全発電量の0.2%しかなくこれは原発一機の発電量の半分にも満たないのです。

 なぜ日本で地熱発電が注目されないのか、日本にその技術力がないわけではありません。

七日付け読売新聞記事から。
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 東芝、ニュージーランド地熱発電所から発電設備受注

 東芝は2011年4月5日、ニュージーランドの Contact Energy から、同社が建設を予定している Te Mihi 地熱発電所のタービン、発電機、復水器を受注した、と発表した。
 2基の8.3万キロワット級地熱タービン、発電電動機、復水器を2012年に納入する。

 契約は、豪州現地法人の東芝インターナショナルオーストラリア(TIC 豪)が、McConnell Dowell、SNC-Lavalin、Parsons Brinkerhoff とのジョイントベンチャーで行った。
 Te Mihi 発電所はニュージーランドの北島、タウポ火山帯に位置する。
 東芝がニュージーランドから地熱発電所向け設備を受注するのは、今回が初めて。
 納入製品の設計・製造は京浜事業所で行う。

 地熱発電は、再生可能エネルギーである地下のマグマだまりで熱せられた熱水と水蒸気を利用する発電方式。
 CO2 の排出量が非常に少なく、また、天候や気象条件に左右されないことから、最近では世界的に地熱発電の開発が進んでいるという。
 現在の世界の地熱発電設備容量は約1,000万キロワットに達しているそうだ。

 東芝は、1966年に岩手県松川地熱発電所に設備を納入以来、北米、東南アジア、アイスランドなど、世界各国で52台の設備を納入している。

(2011年4月7日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/internetcom/20110406-OYT8T00718.htm
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 東芝だけではないですが、日本企業は世界トップレベルの地熱発電に関連する技術を有しています。
 ですが、記事の通りもっぱら熱源を有する国に輸出してばかりで、その技術力が国内で生かされてはいません。

 ではなぜ世界第3位の豊富な熱源を地下に埋蔵している日本で、
 地熱発電所の建設が進まないのか。

 私はこれは東京電力をはじめとする電気事業者達が、これ以上の電力自由化を進めぬために、
 地熱発電の普及を、政治家・官僚を巻き込んで阻止してきたと疑っています。

 現在地熱発電のコストは高いのですがそれを含めて
 (独)産業技術総合研究所・地圏資源環境研究部門・地質資源研究グループ長の村岡洋文研究員は、
 地熱発電が普及しないのは政府のやる気がなぜかないからだとしています。
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 世界ではクリーンエネルギーである地熱発電が急ピッチで開発されています。
  たとえば,火山国のアメリカでは地熱発電が250万kWにも達しており,フィリピンでは電力の19%が地熱発電で賄われています。
 火山のないドイツでも, UnterhachingとLandauで,深度3000m以上の掘削が行われ,この11月からそれぞれの地域で小さな地熱発電所が運転開始します。

 世界有数の火山国であり,地熱資源大国であるわが国で, 何故,地熱開発が進まないのでしょうか? 
 その理由は次の5つにまとめられます。

(1).地熱有望地域の大半が国立公園内の,環境省が開発に縛りを掛けている地域内にあります。
 このため,わが国の地熱開発はそれ以外の2級の地熱有望地域で行われることになり, 坑井掘削の的中率が低くなり,コストも高くなります。

(2).わが国だけの特殊事情として,27,866個もの温泉泉源が至るところにあります。
 本来は地熱発電の貯留層は温泉よりもはるかに高温であり,また,深いため, うまく共存することができます。
 しかし,温泉所有者からみれば,地熱開発が脅威に映り,しばしば反対の憂き目に合うのが実情です。

(3).わが国では,法制度も地熱開発向きにできていません。
 たとえば,地熱掘削は温泉法の縛りを受けます。
 このほかにも,森林法,電気事業法,環境アセス法,等々, 多くの法に支配されています。
 そのため,開発に着手してから,運転開始に至るまでの時間が,わが国ほど長く掛かる国はありません。

(4).これらを総合した結果として,わが国の地熱開発コストは諸外国より非常に大きい傾向があります。

(5).しかし,(1)~(4)は全て,強力な政策的支援があれば,変更でき,軽減できるものばかりです。
 たとえば,地熱資源の乏しいドイツで地熱発電が可能な理由は, 政府が小型の地熱発電所に対して,1kWh当たり,15ユーロ・セントで買い取るという強力な政策的支援を行っているからです(大型ではもっと高い)。
 
 つまり,国が本気で再生可能エネルギーを開発する意志があるかどうか
が,実は最も大きなポイントです。
 日本の地熱発電はいまや,人口31万人のアイスランドに抜かれそうな状況です。
 地熱関係者として,多くの長所をもち,わが国に豊富な地熱資源の開発が,わが国でだけ停滞していることに忸怩たる思いを禁じえません。

(2007.10.31)
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 実は日本では豊富な熱源が確実視されている一等地域にまったく発電所を建設することができていません。

 国立公園内で開発が禁止されていたり、近くの温泉地が無知から来る反対運動を起こしたり、法律も全く整備されておらず、国としての支援もいっさいなく、結果コスト高のまま、普及しないでいるわけです。

 日本の地熱発電開発はここ15年ほとんど伸びていません、
 そして日本政府は、なぜか1997年に地熱発電を新エネルギーから除外し、さらにそれとともに国の地熱政策予算を激減させ、結果投資家が地熱発電開発への投資を躊躇する状況になっているのです。

 実は地熱発電は、規模も方式もいろいろな実現方法があります。
 大きな電力会社が管理しなければならない原子力とは違って、電力事業者以外の企業でも開発できます。
 しかも原油やウランのような原料輸入も伴わず、地中からエネルギーを取るだけですから、小規模から大規模まで電力自由化ととても親和性のある地球に優しい技術なのであります。

 東電など電力事業者が地熱発電に熱心ではないのは、電力自由化を睨んで地域独占のポジションをこれ以上浸食されないために、息の掛かった政治家や官僚と組んで、地熱発電の予算を削ることを後押ししてきたのではないかと、私は疑っています。

 しかし日本における地熱発電の潜在的ポテンシャルは、もしかするとこの国のエネルギー事情を一変するほどの可能性を秘めているのです。

 法律を変え一等地を開発可能にし、関連技術の研究開発を支援し、コスト競争力がつく軌道に乗るまで政府による電力買い取り補助を行えば、地熱発電は必ずや日本経済を支えうる柱となることでしょう。

 政府・官僚・電力事業者は今一度、この国の豊富な地熱資源に注目すべきです。

 原発の代わりになる再生可能エネルギーはこの国の地下に眠っているのです。






== 東日本大震災 == 



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